舞台はアメリカ中北部ウィスコンシン州。百年ほど前の田舎町の農家に暮らす十歳の少女ガーネットの一夏を描いている。銀の指ぬきを拾って、素晴らしい毎日になる。はじめそう知って、てっきり魔法の指ぬきかと思い、読んでいたが、最初と最後に指ぬきが出るだけで、ガーネットの等身大の一夏の冒険や事件、出来事が描かれているだけ。普通なら退屈に思えてしまう展開ながら、ついつい引き込まれて最後まで読んでしまった。

彼女を取り巻く家族、近所の人や出会った人々、誰もが優しい、善人ばかり。一見あり得ないと言いたくなるが、これはこれで悪くない。ガーネットにとっては、魔法の指ぬきだった。それを川辺で拾ってから楽しいことワクワクすることに出会い、その夏がかけがえのないゆひぬきの夏に思えたのだから。

長いこと干ばつで農作物の収穫も、それによる収入にも諦めかけていたガーネット一家は、ゆびぬきを拾った夜に雨が降り、生き返った。壊れかけの納屋を修理するための政府の援助が得られた。

新しい納屋を建てるためのコンクリを得るために、石灰を炉で燃やしている晩に、ヒッチハイクの少年エリックが現れる。スウェーデン人の両親をなくし、東部の知り合いを訪ねるためにヒッチハイク。所々で日雇い労働も重ねてきて、人の親切も残酷さも見てきた。そんな彼がバーネットの農場を助け、暮らすようになった。

友達と二人町の図書館に行ったものの、本に夢中で閉じ込められてしまった。近所のおじさんに深夜になって発見され事なきを得た。怖かったが、楽しくもあった体験ができた。
収穫作業で忙しい家族に取り残されたのに腹を立て、エリックを真似てヒッチハイクで、数十キロ先の町にまで行ったはいいが、気がつくと一文なし。親切なトラック運転手に拾われ、逃げ出した鶏の捕獲に協力したお礼に、一羽をプレゼントされて農場に戻った。考えもせずに無茶な行動をしたことで近所のおじさんだけには見つかり叱られた。貴重な冒険だった。

品評会に出した彼女の豚が特別賞をとったし、会場ではヒッチハイクで知り合った親切な人にも再会できた。

ガーネットにとっつは指ぬきを拾ってからのひと夏のすべてが輝いていた特別の夏になった。その意味では確かに魔法の指ぬきだったのかもしれない。

ガーネット、よかったね