未読だが、著者はタランのプリデイン物語やウェストマーク戦記など、児童文学、ファンタジーの著名な作家とか。この作品は死の直前に書き上げ、死後出版された。著者はライフワークをやりとげたと言ったとか。

イタリアを思わせる港町マゼンタでおじさんの営む輸入品店を手伝うカルロは、本好きで仕事は上の空。ある日宝物の地図を見つけ、大金持ちになることに夢中になる。しかし、彼のうっかり仕事で迷惑をかけたおじに家を追い出されてしまう。それでも多少の金を持たせてもらえ、宝探しのために東方に向かう。いわゆるシルクロードのようなところをめざすようだ。

船で東方の港町シディアへ。ここで宿を斡旋するこじき姿の少年に知り合う。人買いに東方からつれてこられたものの、逃げ出した少女だった。

東方への旅にはらくだ使いが必要だと売り込んできた、実は盗人の男を共にして、カルロは東方への旅に出る。砂漠の旅には様々な危険や、盗賊や自然の脅威等に遇いながらも、仲間と共に旅をする。動物が好きで知的好奇心が強い、賢者とも言える老人が共に加わったり、遊牧の民と義兄弟になったり。

さらに最初に宝の地図が収納されていた本を売り付けた謎の本屋、旅の途中に現れた物語屋、洞穴で夢を描く男、夢を売る男など、奇妙な人物も登場。

最後にはキャラバン宿の娘だった愛するシーラの家を舞台にした、悪人との対決により決着を迎える。しかもその宿こそ、伝説の砦跡で、地下に宝物が埋まっているとわかる。

しかし、カルロとシーラは宝物を掘り出すことをせず、二人で夢に向かい旅立とうとする。賢者たる老人の言葉、旅そのものが宝物に魅せられたかのよう。夢売り屋に別々に買った夢だが、同じ夢を見た二人。恋人以外の誰が同じ夢を見るの?

それほど複雑な話でもないし、分かりやすいが、いつのまにか引き込まれていた。面白かった。

著者の他の作品も読んでみようか。タランシリーズか、ウェストマークの三部作かな。