以前読んだ同じ著者の『幽霊派遣会社』が面白くて、タイトルに引かれ読んでみたいと思いながら、どうやら同じようなファンタジーではないと気づき、躊躇していた。

百年前のアマゾンを描いてる点では歴史小説とも言えるが、少年少女が主人公の冒険小説かロマン小説といえばいいか。なかなかよかった。

ロンドンの寄宿学校で暮らすマイアは列車事故で両親を亡くしたものの、アマゾンに住む遠縁の一家が彼女を引き取ることになる。一家には同年代の双子の姉妹もいるということで、家庭教師のミントン先生も雇われて、同行することになる。

出発前に、アマゾン探検記を図書室で読みふけったマイアには不安よりも未知の世界への憧れや冒険心が旺盛で楽しみにしていた。

大西洋を渡り、アマゾン河を何日もかけて船旅をする。目的地のマナウスはゴム農園で財を作った西洋人がジャングルの中に建設した西洋建築が立ち並ぶ町だった。遠縁のカーター氏はさらに船で遡った川岸に屋敷があった。

カーター一家は期待外れだった。虫嫌いの母親は毎日殺虫剤をまき、窓は締め切り、終日屋敷内にとじ込もって過ごす生活は、思い描いていたものとは違っていた。しかもミントン先生には自由に教えることも許さない。使用人の現地人を遠ざける一家は嫌われていて、屋敷内での彼らも暗い。

彼女の生活を変えるきっかけになったのは、来る船の中で知り合った旅回り劇団の少年クロヴィスと、現地人に愛されるフィンという少年。フィンの亡き父親は博物学者で、アマゾンの自然に詳しかった。もしもの時は亡き母親の部族のもとへ行くよう言われていたが、その部族は戦闘嫌いで奥地の秘密の場所にいるらしい。また亡き父はイギリスの貴族の末っ子だったが、兄がなくなり、唯一の相続人としてフィンを探す探偵が現れ、身動きができなかった。
そこで一計を案じ、マイアも協力して、劇団で苦労していたクロヴィスをフィンの身代わりとして、イギリスにやり、フィンは母の部族を求めて一人アマゾンを遡った。しかし、マイアのことが気になりフィンが戻り、カーター家の火事から逃げ出したマイアを発見し二人で奥地へ出掛ける。彼らを追い、ミントン先生と博物館長でフィンの亡き父の友だった教授も奥地に向かう。無事探してる部族に出会い、幸せな時間を過ごしていた四人は、警察に発見されて引き戻されたが、最後にはアマゾンに戻れることになる。