やっと最後まで読めた。もう二回ほど借りたものの、最初の数ページ止まりで返してしまっていて、気になっていた。

オランダの著名な児童文学作家というパウル・ビーヘル。オランダ国内で何度も児童文学賞をとっているとか。図書館には、これ以外には『赤姫さまの冒険』があり、今度借りようと思っている。

この作品は「枠物語」という、物語の中に別の物語がある形で話が進んでいく。

古い屋敷に一人住む老婆。昔は子供たちがいた屋根裏部屋は物置になっていて、そこに主人公の小人が住んでいる。今は屋根裏にしまいこまれた人形の家の中で暮らしている。彼の日課は毎晩、一人暮らしの老婆が心配で屋敷の中を見回っている。火の始末とか戸締まりなど。イエネズミが遊んでないかとか。さらに地下室にはドブネズミとヒキガエルがいるが、彼は彼らがそこだけにいることは大目に見ているし、毎週土曜には彼らを部屋に呼んで、三人でトランプを楽しんでいる。

秋の終わりのある嵐の晩に、ずぶ濡れの妖精が小人の家に迷い込んできた。一晩だけ泊めてやるつもりだったが。

話を聞いてみると、妖精はただ遊んでばかりでいる生活に疑問を持ち、普通の生き物のように、結婚し子孫を残し死んでみたい、という奇妙な願いにとりつかれてしまう。それをもとめて、仲間と暮らす森を飛び出し、流浪の末、羽も破れ飛べないため、歩いてきたという。

そんな身の上話を聞いていたら、結末や続きが知りたくて、一晩だけのつもりが、妖精を追い出せなくなってしまう。話のあとは寝てしまい、いつか日課の屋敷の見回りも、ドブネズミたちとのトランプもしなくなり、妖精の話に夢中になっていた。

妖精の話の中には、小鬼、エルフ、水の精や巨人、さらに三人の魔女なども登場して、なかなか面白く、それを楽しむようになってしまう。

小人の注意を引くために、ドブネズミが食料倉庫に行ったために、おばあさんはネズミの罠を仕掛けたり、黒猫を飼ったりして、小人たちの生活にも危機が迫ってくる。しかし、突然に終わりになる。おばあさんが亡くなり、屋敷が壊されることになる。昔小人を目撃したことがある今は成年した子供が、屋根裏に向かってそっと教えてくれた。

小人は一緒に暮らすことにした妖精やドブネズミ、ヒキガエルとともに、冬眠中のスズメバチの女王を運びながら屋敷を出ていった。
屋敷に住む人間とじかに関わることもなく、彼らだけの暮らしがまたどこかで繰り広げられるのだろう