『またたびトラベル』の続編。あとの方を先に読んだことになるが、明日返却する都合で先に読んだ。

とある古い住宅街の路地の奥にある古びたアパート、またたび荘。その一階に店を開く不思議な旅行会社、またたびトラベル。訪れた客が体験する不思議な出来事を描いた短編集。電話帳にも出ていない店で、路地で道に迷ったものだけが偶然たどり着いたように見えるが、本当は何らかの必然性に導かれて訪れるようだ。心に残る一風変わった旅を、格安で、あるいはお金以外のもので支払う。この本には七つの話がある。

昔このアパートに住んでいたカメラマンが偶然訪れ、行方知れずになった猫に再会する話。なんとその猫もカメラウーマンになっていた。

子沢山のため忙しい主婦が猫の手も借りたいと、飼い猫を使いすぎて逃げられ、猫の存在のありがたさを再認識する。

またたびトラベルに似た名前の便利屋をしていた直哉さんは間違い電話に困っていた。行方不明の猫探しでこの店に出会い、温泉旅行に参加したら、温泉にいたのは猫ばかりだった。

業績不振のニシンそば屋が古道具屋招福堂の招き猫を借りたものの、約束させられたお供えをサボったために、招き猫を取り戻され、不幸になる。心を入れ換えたものの、招福堂の場所がわからず、またたびトラベルのアドバイスで、招き猫の代わりに野良猫に供え物をやり、繁盛する。

公園にあったポスター。北の海辺の街で新巻ざけづくりの体験旅行。仕事を手伝うならただで食べ放題。おまけにテレビ局が同行し、出演する若者募集。それにつられて、テレビに出れると思った女子大生の体験した新巻きざけづくりは重労働だったが、得るものもあり、後悔しない旅だった。

道に迷い立ち寄ったまたたびトラベルに紹介されて、耳かき屋を体験した社長は、少年時代の母の耳かきの気持ちよさを思いだし、部下の思いがわかるようになる

クリーニング屋の息子は捨て猫を拾ったものの、父親に飼うことを禁止され、捨てることができず、またたびトラベルに預ける。その際奇妙な誓約書を書かされた。将来父親になって、息子に同じことを言われたら、拒否せず、猫を飼うことを誓約する。帰らぬ息子を探して店を訪れた父親は、自身が少年時代に書いた同じ誓約書を見せられ驚く。そして猫を飼うことにした。

どれも猫が関わっている不思議な話だが、心暖まる話だな。