はじめての作家だが、なかなかよかった。家族のことを考えさせられる。
小学六年のとも子は夏休みが始まったというのに、憂鬱だった。宿題を先に済ませてしまったものの。三年の弟浩と三歳の泣き虫の弟茂が何かとうるさい。両親にどこかへつれていってと頼んでも無駄。両親は北海道の小さな町、その外れでスーパーを開いていて、年中無休。今は隠居した祖母を助けて家事もしないといけない。嫌なことがあるとき、とも子には気に入りの場所がある。庭にたつ電信柱ほどのナナカマドの木。それに登って、高い枝に座る。
そこへ下から声がかかる。見下ろしてみると、灰色の帽子の下に笑い顔。真っ黒に日焼けして、顔の下半分が髭におおわれた男がいる。誰かわからず見つめあっていたら、おじさんだよと言う。修二おじさん。下へ降りて母に報告。おじさんは母の弟。ねえさん、にいさん、しばらくと挨拶する。
つまらなかった夏休みがおじさんの登場で変わる。東京の職場をやめて、ヒッチハイクのようにして来たと言うおじさんに母はきついことを言う。すでに両親がないため、姉として小言のひとつも言わないと。
でもとも子たちにとってはおじさんといるのは楽しい時間。いつものことが新鮮に見えるから不思議。子供の頃にロビンソンクルーソーに憧れたおじさん。子供をつれてどこかへ行ってくれたらと母が言う。浩がそばを流れる川、その源流が知りたいと言い出す。しかし子供連れで山の中へは無理だと消極的なおじさんだったが、学生時代山歩きしていた父も行きたいと言い出し、母が許可したことで、夏休みの一大イベントが始まる。
山奥の知り合いの牧場までは自転車で。その先は川をたどって源流へ歩いていく。おじさん、父、とも子、浩の四人の冒険が始まる。
五泊六日にわたる冒険は四人のそれぞれに、少なからぬ影響と印象を与える。
帰ったら、さらに今度は父の代わりに、母と茂をつれて、河口のある海までバスで行く。これで川を丸々見たことになる。
時間や成績に追われる仕事に疲れ、悩み、退職した二十六歳のおじさんも自分の生きる道がおぼろにわかってきた。
とも子は家族って不思議な関係だと思う。父と母がおじさんには兄と姉、お祖母さんがおかあさん。母とおじさんはとも子と浩みたいな姉弟。何十年先には自分達もこうなるのかな。
冒険を通じて、家族のことを再認識したとも子。とも子の家をおじさんは暖かい家庭と言う。なんか嬉しい
小学六年のとも子は夏休みが始まったというのに、憂鬱だった。宿題を先に済ませてしまったものの。三年の弟浩と三歳の泣き虫の弟茂が何かとうるさい。両親にどこかへつれていってと頼んでも無駄。両親は北海道の小さな町、その外れでスーパーを開いていて、年中無休。今は隠居した祖母を助けて家事もしないといけない。嫌なことがあるとき、とも子には気に入りの場所がある。庭にたつ電信柱ほどのナナカマドの木。それに登って、高い枝に座る。
そこへ下から声がかかる。見下ろしてみると、灰色の帽子の下に笑い顔。真っ黒に日焼けして、顔の下半分が髭におおわれた男がいる。誰かわからず見つめあっていたら、おじさんだよと言う。修二おじさん。下へ降りて母に報告。おじさんは母の弟。ねえさん、にいさん、しばらくと挨拶する。
つまらなかった夏休みがおじさんの登場で変わる。東京の職場をやめて、ヒッチハイクのようにして来たと言うおじさんに母はきついことを言う。すでに両親がないため、姉として小言のひとつも言わないと。
でもとも子たちにとってはおじさんといるのは楽しい時間。いつものことが新鮮に見えるから不思議。子供の頃にロビンソンクルーソーに憧れたおじさん。子供をつれてどこかへ行ってくれたらと母が言う。浩がそばを流れる川、その源流が知りたいと言い出す。しかし子供連れで山の中へは無理だと消極的なおじさんだったが、学生時代山歩きしていた父も行きたいと言い出し、母が許可したことで、夏休みの一大イベントが始まる。
山奥の知り合いの牧場までは自転車で。その先は川をたどって源流へ歩いていく。おじさん、父、とも子、浩の四人の冒険が始まる。
五泊六日にわたる冒険は四人のそれぞれに、少なからぬ影響と印象を与える。
帰ったら、さらに今度は父の代わりに、母と茂をつれて、河口のある海までバスで行く。これで川を丸々見たことになる。
時間や成績に追われる仕事に疲れ、悩み、退職した二十六歳のおじさんも自分の生きる道がおぼろにわかってきた。
とも子は家族って不思議な関係だと思う。父と母がおじさんには兄と姉、お祖母さんがおかあさん。母とおじさんはとも子と浩みたいな姉弟。何十年先には自分達もこうなるのかな。
冒険を通じて、家族のことを再認識したとも子。とも子の家をおじさんは暖かい家庭と言う。なんか嬉しい