東京で親子三人で暮らしていたみち夫は夏休みに、父のふるさとで過ごすことになる。父が東京に出てからは疎遠で、一度か二度あったきりの父の兄にあたる伯父さん夫婦と、今は高校生の従姉の住む北陸の田舎町。
共稼ぎの母が海外出張になり、夜が遅い父親には任せておけないと。
近くに山が迫り、田んぼと畑、そして瓦屋根が光る家。夏の日差しの中、家の回りにはいろんな花が。
五尾村の駅に降り立ち、迎えが来るのを待つみち夫は奇妙な三人連れを見かける。小柄な老人はアロハにサングラス。背高の中年男はジーンズにTシャツ、中背の若者はグレーのスーツに赤いネクタイ。

迎えに来た従姉の沙奈は快活で元気、大柄で健康的。迎えの軽トラを運転するのはバンニョモサという若者。ゴロヨモサまで乗せてもらう。先程の三人連れのことを聞いて見るが、沙奈は見てないと言うし、誰か検討がつかないと。

方言で早口に挨拶する伯母の言葉がわからす、みち夫はとまどい、ぶっきらぼうになる。夏休みには好きなだけゲームをするつもりだったが、いざ一人きりで大きな家にいると、何をする気にもなれない。散歩に出掛け、同じ年頃の子と知り合うも親しくなれない。それでも次第にふしぎなものに出会うようになる。村人だとみち夫は思っていたが、実はこの村の神様たち。

そして合併話に揺れる村で伝統的な祭りバンモチを復活させた青年部のバンニョモサ。そこでみち夫は本家の娘ヒスイに心引かれる。村での生活に不満が溜まり、東京に戻ろうとするみち夫とヒスイの目前に白羽の矢が飛んでくる。昔は矢が立った家の娘が人身御供になったり、一夜巫女になり神の言葉を伝えることになっていた。ヒスイがその役につき、介添え役としてみち夫を指名する。

二人は自分達を狙ったような白羽の矢の犯人を突き止めようと動き出す。その後ろには、最初にであった奇妙な三人連れ、実は村の三つの神社の神様たちだけでなく、様々な変わった、それでいてユーモラスで面白い神様たちもいた。犯人は神様の中にいると思うみち夫たちは、神様たちの無礼講に出て、話を聞いたり、事件の際の思いを確かめたりして、ついに犯人を突き止める。一目で前世での縁を感じた二人を離れさせたくないという思いから放たれた矢。

最初はつまらなかった村が今はみち夫のふるさとになったようだ。おかしな神様たちが秀逸な作品だった