大通りから引っ込んだ住宅街にある明野神社。境内には多くの木が繁り、ちょっとした森。ドングリの実る木が多く、近所の幼稚園の行き帰りに子供が拾ったりする。
社の前には二頭の狛犬がいて、右側はあ、と口を開け、左側はうん、と口を閉ざしている。この狛犬は百五十年前に名人と呼ばれた石工の親方が弟子の佐吉と作ったもので、彼らの魂が住み着いている。そして辺りに人気がないといつもおしゃべりしている。
佐吉は最近よくお参りに来る見習い大工の耕平が気になっている。飼い犬モモに似ていると、来る度に背中を撫でたり話しかけてくる耕平が気に入っている。その耕平は飼い犬が逃げ出したきり行方知らずのため、願掛けに来ている。
狛犬の会話は普通の人には聞こえないのだが、六歳以下の子供や百歳以上の年寄りには聞こえる。ひいばあさんに幼稚園の送り迎えをしてもらう翔太はドングリ拾いをしてるときに耕平に会ったことがある。
ある日、以前この付近に住んでいた高橋という老人が神社に来る。そして翔太のひいばあさんに会って立ち話をする。その折に、迷子の犬を拾い、今飼っているという話を佐助は漏れ聞く。もしかしたら耕平の探しているモモではないか。しかし、直接教えることもできない。それで、翔太に話しかけて、高橋老人の住まいをひいばあさんから聞き出させ、さらに耕平に伝えさせようとする。
なんとか耕平に伝わると、耕平は間違いでもいいから確かめに行きたいと思い、なけなしの金を使い、電車とタクシーを乗り継いで向かう。佐助も何とかしてついていきたいと一計を案じる。狛犬は本来口に玉をくわえているのだが、未熟な石工の佐助が作った狛犬にはなかった。親方に注意されていたのに、尻尾の先を細くしすぎて、先が折れていた。その塊を玉代わりにくわえていた。その玉を耕平のポケットに投げ入れ、それに乗り移ることで、耕平と行を共にする。
モモは見つかったが、可愛がられていること等を見たら、飼い主だと名乗れないまま帰ってしまう。途中現地の神社にたちより、ポケットの石をそこの狛犬の足元に置いていってしまったことで、佐助は明野神社へ戻れなくなる。そこの狛犬があわれに思い、親方に迎えに来るように呼び掛けてくれたお陰で帰ることができた。
しばらくして翔太とひいばあさんが来て、高橋老人のモモが子を生んだが、耕平は欲しがるかなと、佐助に話しかけてくる。いまや一人前の大工の耕平だが欲しがるだろうな。
社の前には二頭の狛犬がいて、右側はあ、と口を開け、左側はうん、と口を閉ざしている。この狛犬は百五十年前に名人と呼ばれた石工の親方が弟子の佐吉と作ったもので、彼らの魂が住み着いている。そして辺りに人気がないといつもおしゃべりしている。
佐吉は最近よくお参りに来る見習い大工の耕平が気になっている。飼い犬モモに似ていると、来る度に背中を撫でたり話しかけてくる耕平が気に入っている。その耕平は飼い犬が逃げ出したきり行方知らずのため、願掛けに来ている。
狛犬の会話は普通の人には聞こえないのだが、六歳以下の子供や百歳以上の年寄りには聞こえる。ひいばあさんに幼稚園の送り迎えをしてもらう翔太はドングリ拾いをしてるときに耕平に会ったことがある。
ある日、以前この付近に住んでいた高橋という老人が神社に来る。そして翔太のひいばあさんに会って立ち話をする。その折に、迷子の犬を拾い、今飼っているという話を佐助は漏れ聞く。もしかしたら耕平の探しているモモではないか。しかし、直接教えることもできない。それで、翔太に話しかけて、高橋老人の住まいをひいばあさんから聞き出させ、さらに耕平に伝えさせようとする。
なんとか耕平に伝わると、耕平は間違いでもいいから確かめに行きたいと思い、なけなしの金を使い、電車とタクシーを乗り継いで向かう。佐助も何とかしてついていきたいと一計を案じる。狛犬は本来口に玉をくわえているのだが、未熟な石工の佐助が作った狛犬にはなかった。親方に注意されていたのに、尻尾の先を細くしすぎて、先が折れていた。その塊を玉代わりにくわえていた。その玉を耕平のポケットに投げ入れ、それに乗り移ることで、耕平と行を共にする。
モモは見つかったが、可愛がられていること等を見たら、飼い主だと名乗れないまま帰ってしまう。途中現地の神社にたちより、ポケットの石をそこの狛犬の足元に置いていってしまったことで、佐助は明野神社へ戻れなくなる。そこの狛犬があわれに思い、親方に迎えに来るように呼び掛けてくれたお陰で帰ることができた。
しばらくして翔太とひいばあさんが来て、高橋老人のモモが子を生んだが、耕平は欲しがるかなと、佐助に話しかけてくる。いまや一人前の大工の耕平だが欲しがるだろうな。