日常の謎風な昔の事件の謎解きを描いた短編集

表紙カバーの絵はちょっと場違いな感じ。これはどうみても児童小説かファンタジーぽい。なのに扱っている事件はしごく現実的で、少し苦味も感じる。

五編の短編集。不動産営業の青年が挙式間近な花嫁の父親によび止められ、忘れかけていた中学時代の事件を思い出す最初の一編は少し辛い話。父親は教師としてかたわらから見ていた。最後にはどんでんかえしも。

次のは中学時代に女子生徒が美術室に呼び出されて襲われた事件。高校を卒業する当時の関係者に呼び止められ、話をされる。実は当の女生徒による茶番だった。その狙いは…。

埼玉の雪の夜に先輩は何をしようとしていたのか?同棲解消する二人が馴染みのスナックで話したことを聞いたママは思い出すことがあった。

十年前、近所で事件があった日、寝込んでいた高校生の息子が外出していたと、馴染みの床屋の主に聞いて、疑心暗鬼になる両親。当時警察の尋問を受けた息子は証言者があり、アリバイが成立したはず。あれは嘘だったのか?一体なんだったのか?息子に問い詰めてわかったのは?

鎌倉の屋敷に住む老婦人が回想録を出したいと言うことで赴いた女性。戦後まもなく起こった女性の失踪事件の話を聞かされたものの最後に至る前に、当の婦人の葬儀。しかも遺影は会った女性とは別人。彼女は何者?失踪事件の真相は?そもそも今になって話し出した理由は?


どれも悪くはないのだが、楽しめたとは言えないかな。なかにはそうだったんだと納得できる話もあるが、そもそもの発端があまりに現実的な悲惨なことだからか。いじめとか家庭内暴力、意に染まぬ結婚話など。最近の私はそうした話を敬遠したくなっていて、現実逃避といったらいいか。もっと心暖まる、楽しくなれる作品がいいなと思ってしまう。

次はまた岡田さんのこそあどの森でも読もうか。

日曜の今日も晴天で暖かい。のんびり骨休みしたいのだが。庭の雑草も延びているし、なんかやらされたりするかな?