つるばら村のシリーズ三冊目。

くるみさんが宅配から駅前にパン屋を開業して三年目の美味しい話。さすがに三年もたつと多少は変わる。売り上げも下がり気味。しかもどうやら強力なライバル店が現れたよう。車で二時間の町のパン屋が似たような名前でチラシを配り、車で宅配しているらしい。
ライバル店が試食用にとつくったプリンパン、ほしいという客の依頼でくるみさんも挑戦してみる。美味しいプリンが作れるたぬき母さんの秘密、カラメルの代わりにキャラメルを使う方法でつくる。実はキャラメルの使用は亡き祖母のやり方と同じだった。懐かしい味を使って、くるみさんのプリンパンが出来上がる。

七夕に訪れた若者が持ってきた雲のアルコール。彼はわし座から来たのか?

ライバル店が毎週木曜にとなりのゆうすげ村にパンを配達すると知ったくるみさんは、その前日に回るようになり、売り上げも回復した。森で出会ったしかがくれたヒマラヤの岩塩。それを使ったチョコレートパン。

しらかばの樹液でつくったシロップ。それをつけるホットケーキを天狗のためにつくってあげる。

節分の頃につくった黒豆とブナの森でとれたはちみつによる黒豆パン。それを食べた鬼の子は頭に生えた角がとれる。そしてその角は野山に春をともすろうそくになる。

一年がまた過ぎて、開店四年目を迎える春。一時来なかった客足も延びてきた。そんな店にライバル店で宅配している青年が来店。採算がとれなくて、この地域の宅配をやめることになったという。ゆうすげ村の山奥にかくれ里があり、三軒しかないが宅配で喜んでもらえていた。できたらくるみさんに宅配してもらいたいと。他にもくるみさんが行ったことがない地域を教えてくれる。四周年セールのあと、くるみさんは回ってみる。

ある日、招きねこのニボシが、サンドイッチを二人分つくり、飲み物をもって、月見が原まで配達してと言う。行ってみると、はちみつ屋のナオシさんも同じように来ている。しかも家具屋の林太郎さんがつくった、二人が座れるラブチェアが置いてある。どうやら、ニボシがデートを仕組んだらしい。互いに嫌いではないが、二人は恋人気分にはなれそうもないらしい。

今回も美味しそうなパンが新たに登場したりして、食べてみたくなるな。しゃべる動物や不思議な仕事するものたちの登場がすんなり認められる楽しいファンタジーかな