ノルウェーの著名な作家ヨースタイン・ゴルデルと、日本では知られていないが本国では有名なクラウス・ハーゲルップの共著になる作品。ノルウェーの読書年を記念して、子供たちに読書の楽しみを知らせるために書かれた作品なんだが、そんな動機に関係なく、面白い。

ノルウェーに住む二人のいとこ。12歳の男子ニルスと、13歳のベーリット。夏休みを氷河のある山で一緒に過ごし、山小屋で詩のような文を書き留めた。それをのぞき見ていたおばさんが気になる二人。やがて離れた町に住む二人はレターブックを介して手紙のやり取りをするようになる。
話題の中心は、あのへんなおばさん。偶然であったり、二人のことを承知のようなふりをする。何者なのか?二人とはどう関わるのか?二人は互いに自分達の行動や、奇妙な出来事、おばさん以外の変な人たちとの関わりを、わずかな知識をもとに推理したり、想像したり、時に妄想する。
次第にそのおばさん、ビッビさんのことがわかってくる。もと図書館に勤めていた。書誌学者、自分でふしぎな図書館を作ろうとしている。そこには世界の古くて珍しい本だけではなくて、今だ作られていない本まで集めようとしているらしい。町外れの丘の上に住んでいて、毎日のように全世界から本が送られてきているし、自身でも運び入れている。それらの本はどこに消えたのか?勝手に家のなかを見たベーリットは本が一冊もないことをふしぎに思う。彼女の言葉から十進分類法について学んだり、本に関するいろんなことがわかるようになる。

互いに手紙を交わしながら二人は次第にビッビさんに近づいていき、ついに彼女の図書館を発見する。

二部構成で、前半は二人のやり取りで推理を進めたり、奇妙な体験をする。後半ではついにビッビさんの屋敷を訪れ、ふしぎな図書館を見、彼女に種明かしをされる。

そしてまだ書かれていない可能性の本が、実は二人が交わしていたレターブックのことだったとわかる。すべては読書年の記念の本として、二人の書いたものを本にしようとしたビッビさんのたくらみだったことがわかり、二人の本が出版されることになる。

本がいかに書かれるか?その歴史は?図書館ではどうやって並んでいるのか?本が出版されるまでの工程は?など本の知識を与えながらも、読み物としても読ませる。すごいな。楽しかった。

ゴルデルの本はいくつか積んでいるし、読みたくなってきた。