やっと読み終えた。少し暗い印象もあるが、なかなか心に響く。
十二歳の誕生日を迎えたマミ子はママの帰りを待ちわびていた。幼いときに両親が離婚し、母と二人暮らし。仕事人間の母は帰りが遅い。誕生日の数日後、ヤッと早く帰るというのでケーキや寿司を準備して待っていた。赤いコートをプレゼントに頼んであった。
でも母が用意していたのはお古の小豆色のコート。思い出のコートだという。しかし、マミ子はがっかりした。
寒くなってきたので、そのコートを着て、塾へいくためにバスに乗る。何気なく回数券を出したが、よく見ると違う。運転手さんに気づかれるかと心配になり、途中下車してしまう。八幡神社前のバス停。そばに神社もあるがいままで気がつかなかった。
鳥居を潜り入ってみると、お宮の前にはいちょうの木が並び、たくさんの落ち葉が。拾い集めて花束にし、髪を留めた赤いリボンで縛る。そこへ鳥居を潜って、同じ年頃の少女が来て、お宮の階段に座り、泣いている様子。思わず声をかけたものの、あまり返事をしてくれない。そのうちに打ち解けてきて、いちょうの葉の花束をプレゼント。話してみると似た家族状態。彼女杏子は母親が家を出て、飲んべえの父と二人暮らし。貧しくて、一張羅の服では、祭りにも行けず、お宮に来たらしい。その後、また会うことを約束して、バスに乗り帰宅。周囲の風景に違和感は覚えたが、深くは考えなかった。
二度目に行ったとき、杏子の母親がいると思われる海辺の町へつきあう。目的の番地はなく、海辺で遊んでいたら、アベックを見かける。どうも母親らしいが、杏子は声をかけられなかった。
マミ子がバスで降りたところはどうやら別の土地だと思っていたが、実は時代も違っていた。25年前の世界だった。そして杏子こそ、マミ子の母親の少女時代の姿だった。
杏子には偶然出会ったマミ子が戦後間もないその時代では都会的な裕福な少女に思えたし、話す言葉にも聞きなれないものがあり、外人にもよその星の少女にも思えた。コートに残っていた古い回数券がなくなり、マミ子はその後行けなくなったので、杏子には余計星に帰った印象が残った。
母の古いアルバムを見て、杏子こそママだと確信したマミ子は不思議な体験を母に話すものの信じてもらえない。それでも古い日記を見せてくれる。当時の母の気持ち、その後の母のことを知る。いくつになっても不器用な母には再婚は必要だと思えた。
十二歳の誕生日を迎えたマミ子はママの帰りを待ちわびていた。幼いときに両親が離婚し、母と二人暮らし。仕事人間の母は帰りが遅い。誕生日の数日後、ヤッと早く帰るというのでケーキや寿司を準備して待っていた。赤いコートをプレゼントに頼んであった。
でも母が用意していたのはお古の小豆色のコート。思い出のコートだという。しかし、マミ子はがっかりした。
寒くなってきたので、そのコートを着て、塾へいくためにバスに乗る。何気なく回数券を出したが、よく見ると違う。運転手さんに気づかれるかと心配になり、途中下車してしまう。八幡神社前のバス停。そばに神社もあるがいままで気がつかなかった。
鳥居を潜り入ってみると、お宮の前にはいちょうの木が並び、たくさんの落ち葉が。拾い集めて花束にし、髪を留めた赤いリボンで縛る。そこへ鳥居を潜って、同じ年頃の少女が来て、お宮の階段に座り、泣いている様子。思わず声をかけたものの、あまり返事をしてくれない。そのうちに打ち解けてきて、いちょうの葉の花束をプレゼント。話してみると似た家族状態。彼女杏子は母親が家を出て、飲んべえの父と二人暮らし。貧しくて、一張羅の服では、祭りにも行けず、お宮に来たらしい。その後、また会うことを約束して、バスに乗り帰宅。周囲の風景に違和感は覚えたが、深くは考えなかった。
二度目に行ったとき、杏子の母親がいると思われる海辺の町へつきあう。目的の番地はなく、海辺で遊んでいたら、アベックを見かける。どうも母親らしいが、杏子は声をかけられなかった。
マミ子がバスで降りたところはどうやら別の土地だと思っていたが、実は時代も違っていた。25年前の世界だった。そして杏子こそ、マミ子の母親の少女時代の姿だった。
杏子には偶然出会ったマミ子が戦後間もないその時代では都会的な裕福な少女に思えたし、話す言葉にも聞きなれないものがあり、外人にもよその星の少女にも思えた。コートに残っていた古い回数券がなくなり、マミ子はその後行けなくなったので、杏子には余計星に帰った印象が残った。
母の古いアルバムを見て、杏子こそママだと確信したマミ子は不思議な体験を母に話すものの信じてもらえない。それでも古い日記を見せてくれる。当時の母の気持ち、その後の母のことを知る。いくつになっても不器用な母には再婚は必要だと思えた。