日本神話を題材にしたファンタジー。

十二歳の少年サルは二人で暮らしていたオババの死後、形見の緑の石のせいで、村を出てその石に関わりがあると言われるアマグニに向かう。山中をさ迷っているときに出会ったのが傀儡の芸人一座。彼らとともにアマグニに向かう。

アマグニは日の神の言葉を伝える皇女オオヒイリのもとに、米作で栄える国。弟のタカヒコネは軍事力を増強することに余念がない。
アマグニの宮に滞在するうちに、サルが持つ緑の石により彼の素性が明らかになる。サルは弟王の子だった。神への生け贄になるところ、母親が身代わりに死を選び、オババが連れ出して育てた。

サルには素性を明かさないまま皇女は頼み事をする。昔、生まれつき欠陥ある娘を海に流した。その姫を探しだしてほしいという。目印となる娘に持たせたのと同じ銅鏡を渡される。さらに弟君からは装飾のある短剣を渡される。

用意された船には案内役としてヤタのからすがいたが、芸人の少女スズムシも潜り込んでいた。こうしてまだ幼いサルは冒険の旅に出る。
途中上陸した島で、蛮人に襲われ、スズムシは重傷を受ける。そのあとにたどり着いたタコの浦は、スズムシの知り合いだったため、彼女の治療を頼み、サルはヤタとミズノエの浦へ向かう。

ミズノエは海辺にある国で、首長はホオリ。かつて辺地にいた彼は海辺の豊かな国を治める兄と争い、海神の助けを得て勝った。海神の娘トヨタマと結ばれたが、その真の姿を見てしまい、妻は出ていき、娘が残された。その娘も夜には竜蛇の姿に戻るという呪いを受けていた。

サルが探し求める姫君はホオリの娘ナギサの代わりに海神の宮につれていかれたらしい。海神に会い、ナギサの呪いを解く方法を聞き出すこと、そして皇女の姫君を連れ帰るために、サルは単身海神の宮に行こうとするも、その道がわからない。かつてホオリが会い、道を教えてもらった海と陸の境界を守る老人を見つけるため、サルは苦労する。

ようやく老人を見つけ海神の宮へ行けたものの、姫を連れて帰ることはできなかった。ナギサを救うには、その真の姿を直視して抱き止めていることだとわかったものの、結局失敗し、ナギサは竜蛇の姿で海に帰り、かわりに姫が届けられた。

アマグニに戻ると、皇女はなくなり、姫が立つも亡くなり、弟王が後を継ぐも国は乱れ、ついにサルが王となり繁栄する。傍らに侍るのは傀儡の少女スズムシだった。