読み終えたのは昼前だったが、すぐに仕事に出掛けたので、今になった。
シノダシリーズ三作目、一作目は昨日読んだし、二作目は以前に借りて読んだ。三人の子供たちが異世界へ行った話。

三作目では、パパの母親であるおばあさんが泊まりに来ることになり、家族が慌てる。なにせママがキツネだとは打ち明けてない。いつものようにママの一族がいきなり現れたり、キツネの姿のままだったら大変だ。

それに先だって、おばあさんは物置にあったパパの預かりものという鏡台を送ってくる。パパには覚えがないし、末っ子のモエは鏡の中に少年の顔が見えたという。

そしてある日、鏡台の引き出しが開いていて、中に本が入っているという不思議な出来事が起こる。見てみると、それはパパが少年の頃大事にしていたファーブルの昆虫記で、学校で誰かにいたずら書きをされて、近所の池に捨てようとした本。当時池の周辺で一緒に遊んだ少年にあげたとパパは思い出す。

おばあさんによれば、少年の頃パパをいじめていた寺の息子が、その寺が没落した時に、パパへと持ってきたという。その子は池のカッパか主を罠にかけたといううわさがあり、そのたたりで寺が落ちぶれたと言われていた。

もしかして鏡台の鏡の中に、池の主である少年が閉じ込められていて、パパに何か言おうとして、もらった本を外に出したのか?

縁起がよくないとおばあさんは、専門の寺へ供養に出そうといいだし、家族みなで向かう。

ママは三つ鏡の法で閉じ込められた少年は、その名前を口にすれば解放されるという。しかし、パパはなかなか彼の名前を思い出せない。昆虫記の本にヒントがありそうで何度も読んでみるが思い出せない。そのとき鏡の中から少年時のパパの呼び名が聞こえる。声の指図通り、池のそばで鏡台の二つの鏡を設置すると、パパは鏡の中に誘い込まれてしまった。

しばらくして、心配する家族のもとへパパが戻る。その少年の名前も思い出した。ファーブルのミドルネームのアンリだった。鏡の中には少年の頃二人が遊んだ夏の日が閉じ込められていた。思いでの池は今はもうないため、少年は外へ出る気はないらしい。

ママの父親である鬼丸おじいちゃんが、パパの母親に土産として渡した呪いの藁人形は、今はモエがもらっていた。ママはそれを鏡の中の少年にプレゼントするという。大人になったパパの代わりに彼の遊び友達になるようにと。鏡台は捨てずに持って帰ることにする。