2百ページもないのに、昨夜読みきれず、先ほどようやく。主人公は中学一年の美奈。なのに、印象的にはもっと幼い、小学校高学年くらいで、話も童話っぽいと言うか、読み物とも言えず、昨夜は途中でやめてしまった。
家庭科では失敗ばかりの美奈だが、仲良しが好きな男の子のためにクッキー作りをすると聞いたら、やってみたくなる。毎日うちで頑張ったらできるようになるかも。安易に諦めない美奈。お母さんも家事が苦手で教えてもらえない。レシピでもあればと聞くと、結婚前に大おばさんにもらったきりのがあったはずと出してくれた。

きれいな字で書かれ、色付きの絵があり、ユニークなネーミング。料理だけでなく、縫い物、編み物、さらには自家製の風邪薬や湿布薬まで書かれている。見るだけでも面白いが、どれも難しそう。

これならと挑戦したのが星くず袋。黒いキンチャク袋の表に、ステッチで星が描かれている。両端は袋縫いで丈夫にとあるが、面倒なので手抜きする。

できたとたん何かに引っ張られて袋と共に見慣れぬ場所へ。薄暗い部屋、大きな机に向かう小柄なおじいさんが帳簿に書き込みをしてる。あとでドクマクという名だとわかる。ここは、この世と別の世界を繋ぐ中継所で、別の世界のものは魔力を持つので、必要とするものへ届けている。

美奈が苦労して作ったものの、失敗作や欠陥のあるものが、ドクムマにより、必要とされる世界や人物に送り込まれる。美奈はそれについて、不思議な世界へ行って、奇妙な体験をする。持ち前の明るさ、あきらめない心、負けず嫌いな気持ちで、それぞれの世界で、ちょっとした活躍をし、終わりよければ式の結末を迎える。

四つの作品とそれらが送られた世界を描いている。星くず袋でデナ族の長老のもとへ。魔女のパックというクレープでへび沼の魔女のところへ。姫君の目覚ましというショウガ湯で、おとぎ話の裏舞台へ。妖精の浮き島というピザで、クピド屋敷へ糸のばしの役でいく。

どの世界も童話っぽい、いかにもつくりものめいたものなんだが。よくこんなものを考え付くなと、感心もする。

美奈のぶきっちょさがかえって、それらの世界へいく口実になるとドクムマは言う。本来彼は品物を送るだけで、人材派遣までしない。美奈だけは欠陥の品物を口実に派遣できて、その世界をよくする助けになると。

それらの世界に出てくる人物もなかなか面白かった