いろんな父親を描いた短編集。どれもほっこりと心暖まる作品で、時ににやりとさせられる。小中学校の子供の親なら、働き盛りで仕事にかまけて、自宅ではごろごろしたりして、あまり子供の相手をしない。そんな父親でも、時に子供の頃の話をしてくれて、昔は同じ子供だったんだと再認識させられる。九編の短編集。
最初のお父さんは遠野出身で、おじいさんがあるときから狸の化けた姿に変わったのだと、まことしやかに話す。
ある季節になるとめだかとりに夢中になる父親。実は川の中洲に現れる春の精ともいえる女性が初恋の人で、川辺でそれを待つ姿を弁解する言い訳だった。
転勤の多い父の子は、あるとき住んでいたアパートの子達を追ってみみずく図書館へ行ったことがある。狸や狐の子供のための図書館で、彼らに本を貸すことで中に入れる。本人が読んだり楽しんだ本しか受け付けてもらえない。お父さんは自身で書いた漫画ノートを貸した。数年後その漫画を見たと思われる子供に出くわす
父の同僚の息子が結婚し、その直後に同僚夫婦が熟年離婚。同僚の妻も嫁も同じ村、木積み村の出身。その村では毎年信太妻の芝居がかかる。離婚した奥さんは実はきつねだった。きつね村。そんな話を半信半疑で話す父だが、母も同じ村出身であることを忘れている。
共働きの兄夫婦が実家によく来る。結婚して数年、嫁の実家で出産のことを言われるのが嫌で。実家の両親は何も言わない。どうしようもなければこの町には鬼子母神があると母は言いかける。昔、飢饉の時には子供がそこに連れてこられ、裕福な養父母にもらわれていったという。そういえば、私も兄も生まれた頃の写真はない。もしかして、と今は保育園にある鬼子母神のほこらへ行ってみると、赤ん坊を抱く義姉がいた。
脱サラで何でも屋を始めた父がある日、着付けを頼まれた。場所は山奥の小屋。見合いをするという、きれいな女性の客は山の神か?着付けや髪結いの本でなんとか済ませたものの、その後父子は美容院と着付け教室で腕を磨き、三年後婚儀をするという同じ客のもとへ向かう。
困ったときに助けてくれる童児姿の神様は引き換えに大事なものをあとで取りに来る。大人になった父が願った引き換えに大事な家族がいなくなるかと心配する。
母をなくした息子のために、夜だけ母に変身する父親
幼稚園児の頃、午前午後の番長だった宿敵の二人が、実は父と母だった。最後の落ちでニヤリとしてしまう
最初のお父さんは遠野出身で、おじいさんがあるときから狸の化けた姿に変わったのだと、まことしやかに話す。
ある季節になるとめだかとりに夢中になる父親。実は川の中洲に現れる春の精ともいえる女性が初恋の人で、川辺でそれを待つ姿を弁解する言い訳だった。
転勤の多い父の子は、あるとき住んでいたアパートの子達を追ってみみずく図書館へ行ったことがある。狸や狐の子供のための図書館で、彼らに本を貸すことで中に入れる。本人が読んだり楽しんだ本しか受け付けてもらえない。お父さんは自身で書いた漫画ノートを貸した。数年後その漫画を見たと思われる子供に出くわす
父の同僚の息子が結婚し、その直後に同僚夫婦が熟年離婚。同僚の妻も嫁も同じ村、木積み村の出身。その村では毎年信太妻の芝居がかかる。離婚した奥さんは実はきつねだった。きつね村。そんな話を半信半疑で話す父だが、母も同じ村出身であることを忘れている。
共働きの兄夫婦が実家によく来る。結婚して数年、嫁の実家で出産のことを言われるのが嫌で。実家の両親は何も言わない。どうしようもなければこの町には鬼子母神があると母は言いかける。昔、飢饉の時には子供がそこに連れてこられ、裕福な養父母にもらわれていったという。そういえば、私も兄も生まれた頃の写真はない。もしかして、と今は保育園にある鬼子母神のほこらへ行ってみると、赤ん坊を抱く義姉がいた。
脱サラで何でも屋を始めた父がある日、着付けを頼まれた。場所は山奥の小屋。見合いをするという、きれいな女性の客は山の神か?着付けや髪結いの本でなんとか済ませたものの、その後父子は美容院と着付け教室で腕を磨き、三年後婚儀をするという同じ客のもとへ向かう。
困ったときに助けてくれる童児姿の神様は引き換えに大事なものをあとで取りに来る。大人になった父が願った引き換えに大事な家族がいなくなるかと心配する。
母をなくした息子のために、夜だけ母に変身する父親
幼稚園児の頃、午前午後の番長だった宿敵の二人が、実は父と母だった。最後の落ちでニヤリとしてしまう