日付の変わる前にやっと読了。ダイアナ・ウィン・ジョーンズの四百ページを越える大作。時間をテーマにしていることで、いつもよりはわかりづらい。魔法ではなく、超未来の科学なんだが、魔法と言われた方がしっくりする。

十一歳の少女ヴィヴィアンは、疎開列車に乗って、ロンドンから西の田舎の駅にたどりつく。第二次大戦が始まった直後。防毒マスクを持たされた子供たちが乗る列車。たいていは見ず知らずの里親の世話になるのだが、彼女には母親の遠縁のおばさんが迎えに来るはずだった。

それなのに駅で声をかけてきた少年二人に、まるでさらわれるようにして連れていかれたのは、奇妙な町だった。歴史の流れとは切り離された別世界、時の町。この町を作り出した伝説の人フェイバー・ジョン。その奥方と間違われて連れてこられたらしい。

時の町は今危機に向かいつつある。それを救うには奥方の力が必要だと、町の長官たちの話を聞き付けた息子たちが、冒険を兼ねて、二十世紀へタイムトラベル。父親専用の時の門を勝手に使っての行動だった。

少年二人は彼女をいとこの一人にしつらえて、両親に紹介し、三人で町の危機を救う冒険を続けることになる。
歴史の流れに逆らって存在する時の町の動力は四つの器。鉛、金、銀、鉄の装置のようなもので、それらが円環をなす歴史の流れのどこかに配置されていて、それぞれに監視人がついている。

彼女が間違えられた時に舞い戻れば、時の奥方を捕まえることができるかもしれないと、三人は監視されていない時の門を見つけくぐる。彼女が身を寄せるはずだったおばさんの家を訪ねる。彼女の代わりに来ていた少年が悪態をついて出たあとだった。あとを追いかけていき、その少年がその地にあった鉄の器を盗む現場を見てしまうが、捕まえられなかった。

彼らは他の器も盗まれるかもしれないと、そのありかを調べたり推理して、別々の時代にタイムトラベルするものの、最後には悪人一家に三つの器を盗まれ、彼らさえ人質にされてしまう。時の町も最後かと覚悟したときに、最大の器を手にして助けに来てくれた人物は思いもかけない人物だった。さらに四つの器がひとつになったときにはその人物こそ、伝説の人だとわかり、事件は解決に向かう。
わかりにくいところもあったが、なかなか面白かった。それにしても相変わらずジョーンズ女史の想像力には驚くな。