作者は石崎洋司さん。小学生に圧倒的な人気があるシリーズ、黒魔女さんが通るの作家さんとか。これもその類いの作品かと思って借りたのだが、いま読み終えてみると、少し違うみたい。

世界の果てにある魔女学校に引き寄せられてきた四人の少女たちの話が語られている。普通の少女なら誰もが持つ欲望や思いが魔女を引き寄せた。

何をしてもうまくいかないアンは、ピーターパンの言葉通りにネバーランドにいこうと家出して、夜道をたどったものの、着いたのは魔女学校。魔女によればアンの名前は実は否定辞のUNだから、すべてのことが否定的になる。魔女になるのにうってつけだと

少女ジゼルは恋人の過去の姿がありありと浮かぶことに苦しんでいた。一人の占い師の助けでその原因を探ってみると、ジゼルが過去に魔女学校にいたことがあり、そこの魔女によりなくした記憶を取り戻す呪文を習ったことがわかる。大好きな亡き祖母の思い出を取り戻すために習ったのに、今は恋人の過去の恋愛模様を映画のように見てしまうことができる。魔女の呪文にはそうした呪いも含まれていたのだ

アリーシアは人付き合いが苦手。だから夏休みに遠く離れた町の古書店でバイトする。そこへふらりと現れたクラスメイトの男子に恋をする。古書店の由来など歴史に関心がある彼と、彼女は店主のいない昼休みに、おしゃべりを楽しむようになる。しかし実は昔彼女を魔女だと告発した男の生まれ代わりだと言うことに気づき、復讐を果たすことで、五百年ぶりに魔女学校の卒業試験を果たす。

孤児院から田舎の農家に引き取られたシボーンは村でつまはじきされて、妖精への生け贄にされて、魔女学校に来た。実地試験としてその村に戻った彼女が見たものは、一年前に彼女が生け贄にされるまでの様子だった。生け贄にされた恨みは消えないが、それにより村の人々が幸せになったわけでもないことに気づいた彼女は、課題の復讐を果たすことなく、別の魔女学校を目指して一人旅立つ。

人を呪い不幸にすることに使命感を持つ魔女。言わば古典的なそんな魔女を養成しようと、どこにでもいる少女を狙っている。

いくぶん暗く、必ずしも楽しい話ではないが、なかなか読ませる作品だった。あとがきで作者は、子供の頃に読んだ海外の児童文学で知った言葉「まぜっかえす」のへりくつを大人になって思い付き、それを延長したら、この話ができてきたとか。そんな風にしてできるんだ