スペイン人の二人の作家によるファンタジー。スペインの児童文学賞のひとつを受賞している作品

遥か昔、マボロシ海といわれる危険な海に浮かぶ水晶の町があり、魔法世界の住人たちが暮らしていた。のちに遭難した二人の人間、カムリンとアニオン兄弟が文字を伝え、歴史を記録し、過ちを繰り返さない恩恵をもたらした。代わりに二人に妖精の女王が差し出したのが永遠の命を与える命の剣と、真理の才を与える真の剣。ひとつを選ぶように言われて、兄弟は意見を異にして、真の剣を持つカムリンが残り、イフ王国を治めた。知恵と魔法に支えられ繁栄した。代々国内でしか王の婚儀は行われなかったのだが、十数年前に三歳の王子と生まれたばかりの隣国の王女が婚約した。

話の始まりは、キルダー王国の王女を乗せたイフ王国の迎えの船の船出から始まる。一方、二つの国を分かつ、危険な山脈を乗り越えようとする若者と従者がいる。途中弱って倒れている魔女を渋々助け、その家まで送り届ける。さらに山脈を越えた森で囚われているものを助けるように言われた二人は、どうにか果たす。幼い頃から塔に閉じ込められていた若者ケール。

旅をする若者ダンカン卿は実は王女ダウで、家庭教師であったシリオを従者にしていた。船に乗ったと見せかけて、人跡まれな山を越える訳は何か?

王国内でしか婚儀をしなかったイフ王国がなぜ、ことさら繁栄もしていない王女と婚儀をするのか?それはキルダー王国のためになるかどうか?婚約者の真の姿を確かめようと、王女は秘密にイフを目指した。

真の剣にまつわるイフ王国の当地者を確認する毎年の儀式。それをめぐって、婚儀と隠されていた秘密に関わる人物たちにより起こる騒動を描いた作品。

なかなか楽しく読めたものの、なんかスケールが小さい感じがした。結局騒動に巻き込まれて右往左往するのは限られた登場人物たちだけの印象がして。

訳者あとがきによれば、スペインのバロック演劇の作品を下敷きにしているそうだが、私にはわからない