著者はマイケル・モロイ。ロンドン生まれの作家で美術学校を出たあと、全国紙の記者に。大人向けのミステリーをいくつか出した後、初めてのファンタジーがこれ。
ハリー・ポッターが世にでるきっかけを作った編集者カニングハムが子供がほんとに楽しめる作品として送り出したものとか。

確かに少女が主人公で、魅力的な背景と登場人物たち、展開もスピーディで、楽しく冒険を見ていられる。魔法も出てくるし、アトランティスの科学による数々のアイテムもあれば、背景は異世界とかあり得ない世界ではなく、現実のロンドンに直結した架空の港町や南極大陸の地下に広がる王国。

アビーは探検家の両親が行方不明になり、叔母夫婦に引き取られ、海に流れ着いて救われた記憶喪失の少年スパイクと平和に暮らしていた。ただ昔、船で遠足に出掛けた子供たちが行方不明になり、アビーとスパイクしか子供はいないし、水夫姿の大人たちも船に乗らず、町中で暮らしている。

岬の先の灯台に一人住んでいるスターライト船長と知り合いになったアビーは、今まで気がつかなかった秘密を知り、冒険の旅に出ることになる。

光と闇、二つの世界の魔法使いたちの長い闘い。彼らの武器とも力ともなる魔法の物質アイスダスト。今は闇の勢力が増し、アビーの両親も港町の子供たちも囚われて奴隷として働かされている。今残る唯一のアイスダストの産地南極へ向かうアビーたち。

スターライト船長につれられてロンドンに行き、光の魔法使いの党首に会う。今はアイスダスト不足で、落ちぶれた役者の彼の回りには魅力的な秘書、執事、エルフ、図書室長がいる。

アトランティスの遺産を発見し、それを利用して、闇の魔法使いに挑むスターライト船長やアビーたちは一路、闇の魔法使いの総統ウルフベインの南極へ向かい、冒険と闘いをする。子供たちを救おうと、休眠していた港町の魔法の船乗りたちは船団を率い、自ら囮となるべく船出する。

秘薬アイスダストを得て、最後には闇の魔法使いたちを叩きのめして終わる。

ただ闇の魔法使い総統は単身逃げ出し、その暗躍が次回の作品で語られるようだ。十年あまり前に出た翻訳ということは、続編も翻訳が出ているのかな?今度探してみよう

児童文学っぽいと、はじめは軽く思えたが、読み出すと夢中になれる。それだけ私が純真な心を持っているのか?あるいは単純にバカだからか?