いかにも児童文学らしいと思いながら読み始めたが、そのうちに引き込まれてしまい、どう話が展開するのかとどきどきしてきた。楽しくて、少し考えさせられる話だった。

著者のマーガレット・マーヒーはニュージーランドの児童文学作家。1936年生まれだから、この作品が出た年には70歳ということになる。すごいな

主人公の少女ディッタは好奇心と探求心旺盛で、物事を筋道たてて考えるのが好き。
学校の図書館の隅で、いつも一人で本を読んでいる少年が気になっていた。ある日思いきって話しかけてみて、彼が幽霊だとわかる。図書館は昔彼の家で、屋根から落ちて死んだことが原因で家族は引っ越し、ついには学校に寄贈されて、図書館になった。
ディッタはクラスメイトで、いつも元気な少年マックスが最近おかしいと思っていた。そして彼から思いがけない話を聞く。新築したばかりの彼の家の彼の部屋の床が夜中うめいたり、波打ったりして、不気味で寝られないのだと。ディッタは探偵気取りで、その謎を解こうとする。

相棒にはマックスと、図書館の古い本のなかにいた幽霊のヒリー、彼女の妹でパソコンが得意なミラベル、さらに90歳を越えるじいさんで、話し出すと止まらないし、ノートパソコンをもって出歩くボルディじいさんが加わる。

マックスの部屋の床の板は古材で、昔ポルディじいさんの家に使われていたことが判明。当時も幽霊のうめきなどがあったことがわかる。

マックスの部屋の幽霊は彼のパソコン内に侵入し、画面一杯でわめく。ミラベルの機転でそれをディスクに保存することができる。ヒリーも自由にパソコンに出入りできることがわかり、問題の幽霊とパソコン内で事情を聞くことになる。それにより長い年月忘れられていた水夫の死の真相がわかり、話を聞いてやることで、恨みを消すこともできた。

図書館の幽霊だと思っていたヒリーだが、実は死のきっかけになった彼の愛読書にとりついていたことが判明。だからその本を見つけたディッタは、本ごとヒリーを持ち運んで、マックスの謎の解明をした。持ち運べる幽霊というのが、タイトルの意味だった。

幽霊とパソコン、異色の組み合わせがバッチリ決まっていて、楽しく読めた。謎の解明に気をよくして、ディッタは仲間、子供三人と幽霊二人と共に幽霊の悩み解決の会社を作ろうとする最後のエピソードは面白い。

マーヒーの作品もまた読んでみたくなる。というか、今日すでに一冊借りたのだった。