土曜休みの朝は天気回復かと思ったのもつかの間、曇ってきて、冷たい風が時々吹いている。寒いな

採薬使佐平次シリーズで読んだのは三冊目だが、実はシリーズ二冊目らしい。輸入によりお金が海外に出るのを防ぐために、八代将軍吉宗は国内で賄えるか代替がきく薬草を知ろうと、お庭番の中から本草学にも通じた採薬使を選び、全国を歩かせて薬草の調査を行わせた。それに加えて隠密御用もさせた。このシリーズはそんな男の活躍を描いている。

今回は長崎から江戸まで陸路を、象を運び入れる任務についた。本好きの将軍が読んで知った象の知識をあちこちで自慢げに話したことが発端で、気をきかせた老中たちが象を購入し、将軍に献上することになった。最初依頼した中国商人の死で、一度は取り止めになったが、なぜか見知らぬ別の中国の商人が、長崎まで象を二頭つれてきてしまう。

倹約政治を進めている吉宗にはかえって費用などがかさみ迷惑なんだが、ついたからには追い返すこともできない。しかし、誰の思惑で象がつれてこられたか?政敵の多い吉宗には心配が絶えない。象を運ぶ道中に何が起こるかわからないと言うことで、信頼厚い佐平次に急遽、公儀象係として道中警護の任が言い渡される。

吉宗はお庭番の他にも、熊野水軍の流れの鯨方という半分漁師の者たちもお庭番のように使っていた。今回の任務には採薬使たちだけでは手不足と、鯨方も駆り出される。

最大の政敵尾張藩とは別の襲撃者も現れ、一頭の象は毒殺されてしまう。犯人を探索していくうちに、彼らが鯨方の一部であることが判明し、仲間同士の闘いともなり、気を許せない道中となる。

象が江戸まで運ばれることは将軍にとっては迷惑でしかないと、考えた忠義の者だち。最初の輸入商人を鎖国をおかしてまで殺しに行ったり、道中で象を殺してしまい、罪を政敵尾張の仕業に見せかけようとする。

政治の世界はあちこちに目を配り、各自の面目も立てながら進めなくてはいけない。面倒なことだ。それにより死ぬものもあり迷惑をこうむる庶民もいる。正直こういう複雑なかけひきは私にはあまり共感できない。佐平次の魅力と器量でなんとか最後まで読んだものの、つまらなかった。

特に象の最後が哀れだな。結局は民間に払い下げられ、見世物にされ、客が飽きて来なくなると飢え死にさせられ、さらに皮を骨を牙を見世物にされる。

佐平次と慣れ親しんだ象の末路は哀れだな