著者の岡田さんが絵も書いている。図工の先生をしていたそうだ。児童書とはいえ、四百頁近くもある長編で、ようやく読み終えることができた。
なかなか面白いし、考えさせる話でもある。
行也ことユウは小学六年生。五歳で母をなくし、十歳までは田舎のおばあさんがいたが、今は父と二人暮らし。小学校の教師をしている父は、図書の係りもしていて、残業があるときはユウを連れてきて、図書室で待たせる。
冬休みがあと二日のこの日、図書整理のために学校へ行く父が、ユウも来ないかと誘う。古い本を選んで、学級文庫に回すため、本を入れる段ボール箱を探しに、まずは東の階段下の倉庫へ。いびつな形の六畳間くらいの倉庫にははだか電球があるだけ。普段使われない道具や教材などが忘れられたようにある。
冬休みの宿題で、まだ済ませてないのは、各自が自分で課題を決めてやるという宿題。ユウは本好きなので、物語を作ることにした。しかし、原稿用紙に向かうが、いまだ何も書けない。
父と向かった倉庫にある雑然としたものを見ていたら、話の種になりそうだと思い、一人残ることにした。
古いオルガン、机、椅子、トーテムポールもあれば、ピエロ人形や手で針が動かせる時計。書類のつまったスチール棚、教材の大きなソロバン。大きなひらがな五十音表がある。スポットライトやスピーカー。掲示板に黒板、壁際の卓球台の前には扉が。ドアに枠をつけ、三角の足がついて立っている。
まずは材料だと、倉庫内のあれこれを持ってきた手帳にメモしていると、見知らぬ女性がドアの前に。黒っぽい服装で、一瞬魔女かと驚く。
実はこの小学校の卒業生で、近くでクラッシックを聞かせる喫茶店を営むママだとか。店名通りの陽気な未亡人。独り暮らしの寂しさを時々校内で慰めるとか。
寒い倉庫でドアを閉めたら、開けられなくなる。奥から火鉢や炭を見つけて、火をつけて暖まりながら、宿題のことを話していたら…。
扉の向こうに壁ではなく、見知らぬ町が現れ、入ってみる。いつのまにか倉庫にあるものを素材に作られた物語の世界に入りこんでいた。そしてもとに戻るまでの夢のような、不思議な世界で冒険をする。古道具屋の時計が逆回りしたかと思ったら、三十九歳のママさんは六年生の頃の千恵ちゃんに変わっている。
なんとも不思議な世界だが、社会風刺のような寓意もある。なかなか面白かった。岡田さんの本はまた読んでみたいな
なかなか面白いし、考えさせる話でもある。
行也ことユウは小学六年生。五歳で母をなくし、十歳までは田舎のおばあさんがいたが、今は父と二人暮らし。小学校の教師をしている父は、図書の係りもしていて、残業があるときはユウを連れてきて、図書室で待たせる。
冬休みがあと二日のこの日、図書整理のために学校へ行く父が、ユウも来ないかと誘う。古い本を選んで、学級文庫に回すため、本を入れる段ボール箱を探しに、まずは東の階段下の倉庫へ。いびつな形の六畳間くらいの倉庫にははだか電球があるだけ。普段使われない道具や教材などが忘れられたようにある。
冬休みの宿題で、まだ済ませてないのは、各自が自分で課題を決めてやるという宿題。ユウは本好きなので、物語を作ることにした。しかし、原稿用紙に向かうが、いまだ何も書けない。
父と向かった倉庫にある雑然としたものを見ていたら、話の種になりそうだと思い、一人残ることにした。
古いオルガン、机、椅子、トーテムポールもあれば、ピエロ人形や手で針が動かせる時計。書類のつまったスチール棚、教材の大きなソロバン。大きなひらがな五十音表がある。スポットライトやスピーカー。掲示板に黒板、壁際の卓球台の前には扉が。ドアに枠をつけ、三角の足がついて立っている。
まずは材料だと、倉庫内のあれこれを持ってきた手帳にメモしていると、見知らぬ女性がドアの前に。黒っぽい服装で、一瞬魔女かと驚く。
実はこの小学校の卒業生で、近くでクラッシックを聞かせる喫茶店を営むママだとか。店名通りの陽気な未亡人。独り暮らしの寂しさを時々校内で慰めるとか。
寒い倉庫でドアを閉めたら、開けられなくなる。奥から火鉢や炭を見つけて、火をつけて暖まりながら、宿題のことを話していたら…。
扉の向こうに壁ではなく、見知らぬ町が現れ、入ってみる。いつのまにか倉庫にあるものを素材に作られた物語の世界に入りこんでいた。そしてもとに戻るまでの夢のような、不思議な世界で冒険をする。古道具屋の時計が逆回りしたかと思ったら、三十九歳のママさんは六年生の頃の千恵ちゃんに変わっている。
なんとも不思議な世界だが、社会風刺のような寓意もある。なかなか面白かった。岡田さんの本はまた読んでみたいな