朝から雪がちらついていて寒かった。三連休初日の土曜だが、今日はお定飯。亡き父の命日の11日に毎月、お寺様に来てもらい、お経をあげてもらう。いつもは老母一人だけなんだが。今日は休みで私も一緒して、ともに阿弥陀経を唱える。

そのために朝寝坊もできず、起こされた。終わってから朝食をとり、部屋に戻って、読みかけの本書を読んでいたのだが。寒いし、手先が冷える。

読むのに夢中で、気づいたら雪はやみ、晴天だ。

なんとも奇妙な作品。怪奇幻想風な連作短編といったところか。

主人公は二流の探偵小説家。小説の種を求めて、古本屋に出入りする。そして、いつも呟く。また買ってしまった、と。私にも経験ある呟きだから、最初に見つけた時、読みたくなり借りたのだが。

買ったばかりの本をもって、馴染みの昔風の小さな喫茶店に入り、一口飲んでから本を開く。

そんな風にして買い求めた本が、古めいた変わったものばかり。脳病院の入院案内とか、三流探偵小説とか、昔の探偵マンガとか、あるいは怪奇探偵小説をもとに映画化しようとされた関係書類とか、子供のころに見たことがある大河小説の前後編二冊本。最後には、本作そのものさえ買っている。

戦前戦後の推理小説と言うよりは探偵小説と呼ぶ方がしっくりくる二流三流の話の本。そして、まるでその話の中から現れたような人物の影がはいよったり、登場して、奇妙な、そして怖い経験をする。どこからが現実で、どこまでが妄想かわからないような、話の集まり。最後には、本好きが高じて古本屋になった店主が、集めるものがなくなり、自分でタイプライターを打って本を作り、それを買った作家とおぼしい客たちを、嫉妬混じりに殺害し、裏の土蔵に死体の山ができている、そんな怖い展開も。主人公自身もそんな目に遇い、それを記した本書ができたという、奇妙に入り組んだ話。

つまらないわけではないが、あまりよかったとも言えないか。

本好きとか、古本屋に通った経験ある者にとっては、共感できるフレーズがところどころに出てきて、そうだよなと頷いてしまう。

著者は幻想的な小説や本格推理を書いていて、図書館にも何冊かあるが、今の私はその手の話はあまり読む気になれないかな