佐伯さんの本に続けて、これも時代小説。この作家は二作目かな。以前、お薬園同心の話を読んだことがあり、好印象を得た。
この作品は江戸時代、旗本家の親子三代の女性が、見習いの御師の案内で伊勢詣りをする道中を描いたもの。
親子に限らず、共に旅をすることは、開放感もあるし、出くわした事件に対処することにより、知らない一面を見いだしたり、似てるところに気づいたり、思わね発見の旅でもある。
最初と最後に、明治の御世になり、御師が廃業と決まり、その最後の伊勢参りを案内した老練な御師が、案内した親子三代の客に、若い頃の思い出を語るという趣向になっている。
御師の久松が忘れられない旅があるという。見習いとして伯父の御師ついて旅をして来たが、四十年前のあるとき、伯父が病で倒れ、見習いの彼が一人で、武家の親子三代の女性と旅をすることになった。それまでは旅は目的地を目指すことでしかないと思い、御師の仕事もどこかうさんくさいものだと思っていた。しかし、その旅の経験で、御師の役目や旅の見方を考えさせられることにより、御師を続けていくことができるようになったと。
香矢は旗本吉成家の主婦。夫は大番勤めで、今は二条城在番に出ている。長男は元服し番入りの許しも出ているし、長女には上役から良縁が来ている。姑との仲はよくはないがそれなりに。娘は芝居見学にうつつを抜かし、単身の夫に若い女がいるらしい。
そんなあるひ実家の母親まつが訪ねてくる。昔の針仲間と会って話したことがきっかけで、伊勢詣りを思い付いたという。孫娘の雪乃を同行させたいという。しかも武道に心得のある娘の香矢も連れていきたいと。夫のいない嫁が伊勢参りなど姑が許すはずがないと断ったのだが。
夫の親友が訪ねてきて、夫宛の密書を密かに届けてほしいと言う。まつの伊勢詣りを聞いたが、同行すれば隠れ蓑になると。姑面前での話で、伊勢詣りが決定。親子三代の旅が決まる。
慣れぬ案内の見習い御師に最初は不安だったが次第に旅に慣れ、人生修行も重ねていく。すりの娘が実は敵討ちだったり、仇を訪ねる老武士、死病を堪えて捨てた妻への土産を運ぶ職人などの様々な事件や出来事、縁談のある娘の秘めたる思いを知り、最後には密書の正体を知る。派手な事件も騒動もないが、人の繋がり、思いを描いた作品だった。佳作という表現が合うな。
この作品は江戸時代、旗本家の親子三代の女性が、見習いの御師の案内で伊勢詣りをする道中を描いたもの。
親子に限らず、共に旅をすることは、開放感もあるし、出くわした事件に対処することにより、知らない一面を見いだしたり、似てるところに気づいたり、思わね発見の旅でもある。
最初と最後に、明治の御世になり、御師が廃業と決まり、その最後の伊勢参りを案内した老練な御師が、案内した親子三代の客に、若い頃の思い出を語るという趣向になっている。
御師の久松が忘れられない旅があるという。見習いとして伯父の御師ついて旅をして来たが、四十年前のあるとき、伯父が病で倒れ、見習いの彼が一人で、武家の親子三代の女性と旅をすることになった。それまでは旅は目的地を目指すことでしかないと思い、御師の仕事もどこかうさんくさいものだと思っていた。しかし、その旅の経験で、御師の役目や旅の見方を考えさせられることにより、御師を続けていくことができるようになったと。
香矢は旗本吉成家の主婦。夫は大番勤めで、今は二条城在番に出ている。長男は元服し番入りの許しも出ているし、長女には上役から良縁が来ている。姑との仲はよくはないがそれなりに。娘は芝居見学にうつつを抜かし、単身の夫に若い女がいるらしい。
そんなあるひ実家の母親まつが訪ねてくる。昔の針仲間と会って話したことがきっかけで、伊勢詣りを思い付いたという。孫娘の雪乃を同行させたいという。しかも武道に心得のある娘の香矢も連れていきたいと。夫のいない嫁が伊勢参りなど姑が許すはずがないと断ったのだが。
夫の親友が訪ねてきて、夫宛の密書を密かに届けてほしいと言う。まつの伊勢詣りを聞いたが、同行すれば隠れ蓑になると。姑面前での話で、伊勢詣りが決定。親子三代の旅が決まる。
慣れぬ案内の見習い御師に最初は不安だったが次第に旅に慣れ、人生修行も重ねていく。すりの娘が実は敵討ちだったり、仇を訪ねる老武士、死病を堪えて捨てた妻への土産を運ぶ職人などの様々な事件や出来事、縁談のある娘の秘めたる思いを知り、最後には密書の正体を知る。派手な事件も騒動もないが、人の繋がり、思いを描いた作品だった。佳作という表現が合うな。