幽霊が一杯出てくる楽しい話だった。著者はユーモアファンタジーの作家として定評があるとか。

ウィーンで生まれ、ユダヤ人だった科学者の父親と共にイギリスへ来た。幽霊の出てくる話やユーモア溢れる作品を書いているが、その中に彼の経験からの階級社会、環境破壊、人種差別や現代の風俗に対する風刺や批判がちりばめられているとか。

ロンドンの魔女になるための夜間学校で知り合ったミス・プリングルとミス・マナリングは、魔女にはなれなかったが、幽霊を見ることができる特技を生かし、周囲にいるあわれな幽霊たちのために、派遣会社を設立する。
歯科医のウィルキンソン一家は第二次大戦の最中、自宅に爆弾が落ち、一家全員が無傷で死亡し幽霊になった。何年かの間は壊れた自宅で静かに住んでいたが、やがて新たな屋敷がたてられ、次々と住人が代わり、いたたまれなくなり、一家でロンドンへいく

そして派遣会社に登録。格好な派遣先が見つかり、行ってみると話が違う。会社で言われたのは修道院。新しく建て直したが、元の修道院は残すから、そこに住む心優しい幽霊が希望と言うことで来たのだが。

派遣会社の小僧の取り違えで間違った派遣先に来たのだ。

イングランド北部にあるヘルトン館。何百年も所有していたスノッド=ブリトル一族の後継者が絶えたと思われた時に、一人の少年が発見される。当時オリヴァーは孤児院にいたが不幸ではなかった。仲間も先生もいてそれなりに幸せだった。そんな彼に飛び込んだのが田舎の屋敷の相続人。嫌がったものの従兄弟だと称する夫婦につれられていく。

事業に失敗し、自分達こそ相続できると思っていた彼らは、少年を追い出して後釜をねらう。そして雇ったのが怖い幽霊。

怖い幽霊を雇ったつもりが、反対に心優しい一家の幽霊が来て、元気をなくしていた少年も元気になる。

そんな彼らと、悪漢夫婦の対決が後半のハイライト

なかなか楽しく読めたが、はじめは幽霊の存在がいまいちわからなくて読みづらかった。幽霊が見えるものと見えないものがいるんだ。それは何が原因なんだろう?少年は広い屋敷に多くの幽霊たちを呼び寄せ住まわせた上、彼らの研究機関まで作ることにする。