奇妙な短編集。六つの話が語られているが、登場人物がかぶっているが、続いている連作とも違う。
登場するいくつかの家族、夫婦、親子、姉弟、祖父と孫娘。同じ家族を描いているのに、話によって、存在しない、つまり死んでしまった家族が違う話。
家族を失ったことで残されたものには、様々な思いが葛藤が生まれる。あの人が生きていれば、あの子が生きていれば、そんな違う世界、バラレルワールドを描いているようだ。最後のタイトル作に照らしてみれば、あるいは鏡に写った別の世界を描いているのかも。
特別な人物も派手な事件もなく、普通の家族の話がたんたんと語られている。それなのにつまらないわけでもない。知らず知らず読まされてしまう。
最初の話では小学生の章也が一人でバスで遠出をしている。それなのに姉翔子と会話をし続けている。彼が向かう先は彼が生まれる前に引っ越した元の家。そこで幼い姉がベランダから落ちて死亡したらしい。しかし両親はその事を詳しくは話してはくれないし、引っ越しのわけも教えてくれない。その謎を探るべく、偶然知った、その家の住所に向かう。無事到着して、現在住まいする老人瀬下から事故の話を聞く。彼は亡き姉の法事に出るのが怖かった。みんな姉の話しかしない。まるで彼なんが余計者のように。両親もうるさいばかりで、彼のことなど愛していないのだと。しかし、老人の話を聞き、事故のこと、引っ越しのわけ、自分への両親の思いを知ることで癒される。
他に瀬下夫妻とその娘、彼の元同僚飯先夫妻と息子、翔子の友達真絵美と弟直弥。彼らが一堂に会する最後のタイトル作では、彼らが泊まった民宿の家族の話が描かれる。古くから鏡を作っていた村、最後の鏡師となった祖父の工房で、孫娘が薬品により火傷を負い、命は取り止めたが、顔などにあとが残る。それを悔いて鏡作りをやめて、やがて死んだ。孫娘が鏡を見ないことを悔やんでいた祖父に、孫娘は伝えたいことがあった。両親の経営する民宿の客から、鏡はあの世との通路だと聞き、近くの湖に向かう。鏡のようだと言われる湖。少女を案内するように飛ぶ白い蝶。ここが前作『光媒の花』にリンクする。行方不明の少女が家族や客たちの捜索により、無事見つかりひと安心できた。
なんかいい雰囲気の話ばかりだった
登場するいくつかの家族、夫婦、親子、姉弟、祖父と孫娘。同じ家族を描いているのに、話によって、存在しない、つまり死んでしまった家族が違う話。
家族を失ったことで残されたものには、様々な思いが葛藤が生まれる。あの人が生きていれば、あの子が生きていれば、そんな違う世界、バラレルワールドを描いているようだ。最後のタイトル作に照らしてみれば、あるいは鏡に写った別の世界を描いているのかも。
特別な人物も派手な事件もなく、普通の家族の話がたんたんと語られている。それなのにつまらないわけでもない。知らず知らず読まされてしまう。
最初の話では小学生の章也が一人でバスで遠出をしている。それなのに姉翔子と会話をし続けている。彼が向かう先は彼が生まれる前に引っ越した元の家。そこで幼い姉がベランダから落ちて死亡したらしい。しかし両親はその事を詳しくは話してはくれないし、引っ越しのわけも教えてくれない。その謎を探るべく、偶然知った、その家の住所に向かう。無事到着して、現在住まいする老人瀬下から事故の話を聞く。彼は亡き姉の法事に出るのが怖かった。みんな姉の話しかしない。まるで彼なんが余計者のように。両親もうるさいばかりで、彼のことなど愛していないのだと。しかし、老人の話を聞き、事故のこと、引っ越しのわけ、自分への両親の思いを知ることで癒される。
他に瀬下夫妻とその娘、彼の元同僚飯先夫妻と息子、翔子の友達真絵美と弟直弥。彼らが一堂に会する最後のタイトル作では、彼らが泊まった民宿の家族の話が描かれる。古くから鏡を作っていた村、最後の鏡師となった祖父の工房で、孫娘が薬品により火傷を負い、命は取り止めたが、顔などにあとが残る。それを悔いて鏡作りをやめて、やがて死んだ。孫娘が鏡を見ないことを悔やんでいた祖父に、孫娘は伝えたいことがあった。両親の経営する民宿の客から、鏡はあの世との通路だと聞き、近くの湖に向かう。鏡のようだと言われる湖。少女を案内するように飛ぶ白い蝶。ここが前作『光媒の花』にリンクする。行方不明の少女が家族や客たちの捜索により、無事見つかりひと安心できた。
なんかいい雰囲気の話ばかりだった