連休最後に、なんとか最後まで目を通したものの、格別なことはなかったか

西洋人が見た、あるいは感じた神道を記述することが中心になっている。このあたりは、今までいくつか読んできた平川さんの著書でも馴染みのものが多く、特別目新しさは感じなかった。

著者の狙いには従来の来日西洋人の神道観を述べるだけではなく、それによって内外の読者に日本の霊的な文化を共感的に理解させようとする。世界的な視野の中において、日本人の宗教的な感性を内と外から確かめようとした。それがサブタイトルの「日本人のアイデンティティーを求めて」に表現している

最初に出てくる明治初年の民法論争が多少目新しいかな。維新後西洋に追い付けと民法の整備を目指した政府において、フュステルの「古代都市」なる書物が果たした役割。そこではキリスト教化以前の古代ローマには、アニミズミ的な信仰が残っていて、その死者崇拝や祖先崇拝が、当時の日本とそっくりだったこと。それを見たことから、フランス風の個人主義的な民法ではなく、家をもとにした民法の起草に方向転換した。神道には縁のないフランスの著書が、日本の宗教生活を考えさせる契機になったのは面白い

後半で問題にしてるのは、文明の混交の問題。それを通して、グロバリゼーションの現在、日本単独というマイナーな宗教文化がどうなるのか?日本人のアイデンティティーはどうなるかを探りながらの検討がされている。
巻末で触れている「源氏物語」の英訳者ウェイリーに少し興味を覚えた。仏教の影響が強いと言われる「源氏物語」には神道感覚が深く底流していて、ウェイリーの補筆の多い英訳には、その感覚が如実に表現されているそうだ。もちろんだからといって、その英訳を読むつもりはないが。ウェイリーという人に興味を覚える。その伝記のような本も平川さんは書いていて、図書館で見かけている。今度はそれを読んでみようか?他に、平川さんの著書では、ダンテに関する本と文化の三角測量に関する本に興味がある。

まだ当分この辺りの本を読んでいこうかと思う。平川さん、ハーン、それと神道をキーワードとする本