学生向けの本だけあって、読みやすく、それでいて展開が気になって、一気に読んでしまった。久しぶりの大崎さんだが、いいな。

新米の中学教師の厚介は、担任のクラスの少年に相談事を受ける。
探検気取りで、町の神社の立ち入り禁止の裏山に入り込んだ彼らが、洞穴の中に金ぴかのお宮を発見したという。そばには見事な彫刻の狼像があったと。それを匿名でブログに書き込んだら、評判になり、やがて隠していた町名まで知られてしまい、宮のある場所をしつこくメールされたと。

また裏山の向こう側にある廃屋の中で、お宮にそっくりなものも見かけたという。厚介が生徒と検分にいくと、怪しい男たちに追いかけられてしまう。

彼らを助けたのは探偵と名乗る男与木。

周囲のものに裏山のことを聞くと、誰もが口を閉ざすかごまかし、関わりになるなという。

やがて過去の忌まわしい出来事が明かになり、それに関わる人々が再び集まってきて、お宮探しに奔走することになる。

昔神社の奥宮は、新興宗教の一派に乗っ取られ、彼らの本宮として使われた。その後、天候により山崩れが起き、お宮は流されて行方不明になり、彼らは出ていった。しかし、彼らと関わったせいで人生を狂わされた町民が何人もいた。

失われた奥宮発見の知らせで集まってきたのは、かつての信者や、信者だったが今は行方知らずの家族を探す人たちだった。

信者たちの目的は教団の再興だと思っていたら、実は金目当てだと判明。しかもそれも妄想だと最後にわかる。

先生にも生徒にも真相がなかなかわからず、右往左往する様子がじれったい気もしながら、ついつい夢中になって最後まで読んでしまった。なかなか面白かった。

しかし、新興宗教が出てくるとは思わなかったな。こうした本でも最近はそうした現実的な事件も扱っているんだ。と変なところが気になった。