メリングのケルトファンタジー第四作。今回も現代の少女が妖精界に入り込んで冒険すると言う、お馴染みの設定だが、二つの世界が時間を越えて接するのではなく、同じ時代に接している。人が近づかない荒野や離れ島、遺跡に接していて、特定の場所や時間になると入り口が開く。
さらに本書の特徴は、人間と妖精の愛を描いていること。

主人公はカナダ生まれのグウェン。16歳。ダブリンに住む従姉妹、同い年のフィンダファーのもとを訪れる。二人の母親が姉妹で、幼い頃から行き来があり、二人も姉妹のよう。ホッソリとして背が高いフィンダファーに比べ、グウェンは小柄でポッチャリ。黒い服装が好きなフィンダファーに比べ、グウェンは派手な服装が好き。対照的な二人だが、好きなものはファンタジーなのは共通。いつかその舞台であるケルトの地を探索することを夢見ていて、ついにその時が来た

まず最初に向かったのは古代のアイルランドの王国の中心地であったタラ。タラの丘にある人質の墳墓なる遺跡に、深夜忍び込んでキャンプする。翌朝フィンダファーの姿が見えない。どうやら妖精王に従姉妹がさらわれたらしいとわかる。妖精界にあこがれる従姉妹がついていったのかもしれないが、事情がわからないのでは、一人で帰るわけにもいかない。

妖精の助けを得て、グウェンは一人、妖精が集まる場所を次々と訪れて、従姉妹の行方を探す。

最後にたどり着いたのが、アイルランド北端にある小島インチ島。島に住む王と名乗る少年と魔女のような老婆の助けを得て、妖精王と対決する。妖精界では七年ごとに、大蛇の化け物に人間が人身御供にされた。そうしないと、あらゆるものを飲み込む混沌により、妖精界はなくなってしまう。フィンダファーに恋した妖精王は、グウェンを生け贄にしようとしたが果たせず、自身とフィンダファーで生け贄になるつもり。しかし従姉妹を見殺しにできないグウェンは決意する。

かつてなかったことだが、混沌たる大蛇に立ち向かうことになる。グウェン、フィンダファー、王、おばば、そして妖精王フィンヴァラ。

おばばが持つ古い魔術書から見つけた大蛇への対抗策には、楽園の七天使の勇ましい力がいる。ここに集うのは五人。グウェンは従姉妹探索の旅の途中知り合った二人を思い出す。妖精の存在を信じ、勇気ある人を。実業家のマティーと、農家の娘ケイティー。
こうして七人の勇者が立ち向かった。

その結果は?

これまたよかったな