昨夜読み始めたら、見知らぬ世界が舞台で、片仮名の外国名で、なかなかわかりづらくて、読みにくいと思いながら、いつのまにか引き込まれていて、一気に最後まで読んでしまった。なかなかよかった。気づいたら深夜一時半を過ぎていて、感想も書かずに寝てしまった。

魔道士シリーズと似たような、でも違う世界。古くからある帝国の周辺部族が動きを見せ始めた時代。二つの湖の周辺にいくつかの部族が割拠していたが、山岳民が夜襲奇襲をかけては、皆殺しにするという荒っぽいやり方で周辺諸国を征服してきた。下タフ族のオーシィン。
主人公はアルビル族の王子で何不自由なく育っていた。誰もが毛嫌いする塩の魔女にさえ話しかけ、相手をしてやるほど。しかし、それが仇となり、魔女により山地で迷い、とある洞穴へ太古からの呼び声に引き寄せられた。そこで彼は創石師となった。人が出す思いの靄に手を入れるだけで、様々な石、宝石を作り出す。ただ彼には好きな石を作るだけの力はない。相手のマイナス感情を石にすることで一時的に癒すことができるだけ。魔女は彼のその力に、使えばおのれが滅び、使わねば国が滅ぶという呪いをかけた。

一族をすべて目の前で殺され、一人創石師だったためオーシィンに拾われた。無力感から生きる希望もない彼に、オーシィンの刃から一命を助けたオーシィンの母キオナの言いつけであちこちに行き、石を作る。同じような身の上の年下の少女ドリューは男前の少女で彼の怪我の世話から、今は相棒になっている。

やがて北の小国サンジャルが周辺国を併合して、ついに帝国にまで手を伸ばす。叩き潰されるという予想とは違い、帝国はもはや往年の力はない。どさくさまぎれに兵を出したオーシィンは、逆にサンジャルに叩きのめされる。サンジャルには規律のとれた兵団の他に強力な怪獣が働いていた。ライオンに翼をつけたようなグリフォリスという怪獣もいる。それも一頭だけではなく、何十頭もが空から攻撃する。オーシィンに加勢した竜も破るほど。

以前虹の水晶により過去のサンジャルの様子や、ライハイル王の子供時代を見たことのある創石師ナイトゥルは、戦いに加わり、サンジャルに捕まるが、王の未来、そしてドリューとの未来に希望を見いだし、生きる意味をつかむ。
この物語は生きる意味を失った彼ナイトゥルの再生を描いたものなんだろう。

乾石さんのさらなる作品が読みたくなる。魔道師シリーズもまだ出るかな