昨夜読みはじめて、読み終えたのが深夜一時。時を忘れるほど読みふけったわけで、かなり面白かった。

以前読んだ『デパートへ行こう!』と同じ路線の第二弾だとか。

東北の田舎の赤字路線の再生への取り組みを描いた作品だった。

語り手は県庁から出向してきた副社長とはいえ、30歳くらいの鵜沢。JRから第三セクターに代わり、出資者たちが役員を送り込んでいる。県の他、沿線町村が合併した原坂市、終点近くの町森中町、そして当然銀行二行。

平日の利用客は医者がよいの老人ばかり。怪我でもされたら困ると、鵜沢はホームに立っている。その前に現れた年上だが30そこそこの美人。そして彼女につれられて、現在行われている株主総会に出る。

銀行から来ていた社長が辞任し、新しい社長を決めるための集まりだった。代々実務を束ねる社長は県や銀行の幹部が務め、会長は周辺自治体の首長が就いていた。

会長である森中町長五木田が、東北新幹線でアテンダントと呼ばれる売り子をしていた女性篠宮を次期社長に推薦してきた。普通の売り子の倍以上の売り上げをするカリスマ女性で、客を見る目や対処法に優れていることと、沿線出身で、路線や周辺観光にも愛を持ってることで、赤字路線建て直しの起爆剤にしようというもの

前半は彼女の奇抜なアイデアで路線が人気となる様子が描かれていて、面白かった。いまや鉄道もサービス産業にも手をかけないとやっていけないんだ。

中盤に事故などが重なり、先行き不透明になるものの、それらの事故には影にうごめくものがいる様子ということでミステリーめいた展開になる。会長、社長、副社長三人の活躍で、ついに影の全貌が明らかになる。まあよくある話で、新鮮味はないが、ラストで、五木田町長がそうした陰謀を明らかにしてなしにするのではなく、真剣に考えて、地元民に明らかにして、共に考えていこうと語る姿が光っていた。
産廃にしろ原子力廃棄にしろ、いまやただ反対で、地元から離れたら良しとするような考え方だけでは、いずれ破綻する。県や国によって無理矢理にではなく、地元民も交えて、真っ向から立ち向かっていかないと解決できないのではないかな


わたしの地元でもごみ焼却場さえ、いまだに移転先が決まらず、先行き不安だ。今さら焼却ゼロなんてありえないし、どこが引き受けないとどうにもならない