なかなか面白かったが、読後爽快感がないのは仕方ないか
背後にあるのが八代将軍になった吉宗と、彼に反抗する尾張藩主宗春とあっては、公にされることもなく、秘密裏に処理されたり、決着を後日に持ち越されたり、政治が絡む話はそれだから嫌なんだが。
採薬使というのは聞きなれない役名だが実在した。将軍になった吉宗は海外からの薬品の購入で代金として銀が流失するのを防ぐために、国内での薬草の栽培、とくに高麗人参の栽培をすすめた。そのために全国にある薬草などを調べる役職として採薬使がもうけられた。勤めたのはいわゆるお庭番たちで、薬草の探索とともに隠密も勤めたらしい。タイトルのこの話の主人公はどうやら史実の人物で、薬草探索の記録、旅行記が今に残っている。
話は大川の永代橋に流れ着いた死体から始まる。町人の成りをしてるが、背中をバッサリ斬られている。手に小さなガラスの管を握りしめていた。
町方同心の省吾は父の代から懇意な駒場薬園の管理人で、採薬使の佐平次に相談する。全国を歩いたりする彼ならオランダ渡りと思えるガラス菅の正体もわかるかと。
殺害されたのがのちに、町奉行直属の隠密回り同心とわかり、何を調べていたのか?誰を調べていたのか?
ガラス菅の正体は温度計の一部だとわかるが、何の温度を見るためか?
採薬使にはその頃西国各地で被害が出ていたウンカという害虫の調査が命ぜられていた。それを殺すには田んぼに油を撒いて、そこへ虫を落として殺す方法しかない。しかし脂代が嵩み、金持ちにしかできない。
調査を続けていくうちに、殺人の背後に尾張藩の影が見えてきて、幕府にたてつくことをたくらんでいる様子。
温度計を使う彼らの怪しい動きの真相はなにか?
最期に明らかになったのは、言わば最近話題になった化学兵器に似たような尾張藩の企て。手段を選ばないそういうやり方は許せないな。
最期尾張藩主こそ、無縁にされたが、企てに荷担した者たちはみな、隠密回りの仲間や採薬使たちにより始末され、一見落着。
それなりに読ませ、面白かったが、やはり満足とは言えない。昔読んだ山手樹一郎さんの明朗時代劇のような単純なものはもうありえないのだろうが、しかしそんなものの方がスッキリすることもある。
平谷さんってSFとか怪奇物とかの作家だと思っていたが、これは平凡だったな。知らない作家なら感心したが、ベテランにしては物足りない
背後にあるのが八代将軍になった吉宗と、彼に反抗する尾張藩主宗春とあっては、公にされることもなく、秘密裏に処理されたり、決着を後日に持ち越されたり、政治が絡む話はそれだから嫌なんだが。
採薬使というのは聞きなれない役名だが実在した。将軍になった吉宗は海外からの薬品の購入で代金として銀が流失するのを防ぐために、国内での薬草の栽培、とくに高麗人参の栽培をすすめた。そのために全国にある薬草などを調べる役職として採薬使がもうけられた。勤めたのはいわゆるお庭番たちで、薬草の探索とともに隠密も勤めたらしい。タイトルのこの話の主人公はどうやら史実の人物で、薬草探索の記録、旅行記が今に残っている。
話は大川の永代橋に流れ着いた死体から始まる。町人の成りをしてるが、背中をバッサリ斬られている。手に小さなガラスの管を握りしめていた。
町方同心の省吾は父の代から懇意な駒場薬園の管理人で、採薬使の佐平次に相談する。全国を歩いたりする彼ならオランダ渡りと思えるガラス菅の正体もわかるかと。
殺害されたのがのちに、町奉行直属の隠密回り同心とわかり、何を調べていたのか?誰を調べていたのか?
ガラス菅の正体は温度計の一部だとわかるが、何の温度を見るためか?
採薬使にはその頃西国各地で被害が出ていたウンカという害虫の調査が命ぜられていた。それを殺すには田んぼに油を撒いて、そこへ虫を落として殺す方法しかない。しかし脂代が嵩み、金持ちにしかできない。
調査を続けていくうちに、殺人の背後に尾張藩の影が見えてきて、幕府にたてつくことをたくらんでいる様子。
温度計を使う彼らの怪しい動きの真相はなにか?
最期に明らかになったのは、言わば最近話題になった化学兵器に似たような尾張藩の企て。手段を選ばないそういうやり方は許せないな。
最期尾張藩主こそ、無縁にされたが、企てに荷担した者たちはみな、隠密回りの仲間や採薬使たちにより始末され、一見落着。
それなりに読ませ、面白かったが、やはり満足とは言えない。昔読んだ山手樹一郎さんの明朗時代劇のような単純なものはもうありえないのだろうが、しかしそんなものの方がスッキリすることもある。
平谷さんってSFとか怪奇物とかの作家だと思っていたが、これは平凡だったな。知らない作家なら感心したが、ベテランにしては物足りない