やっと読めた。5百ページ近い大作だし、正直言って、面白いものでもないから、最後まで読めただけで、達成感を覚える

アメリカのメイン州というのがどこかわからないが、そこの一軒家で住む母子が最初に描かれている。近所付き合いもなく、窓は覆われていて、繭のような閉ざされた部屋で過ごすマーレンと、15歳の娘アスラウグ。学校にも行かず、もっぱら母親が個人教授している。時々近所の野原や森で野草を摘み、それを食べたり薬草にしている。最初のところで母親の様子が痛々しい。病持ちか、痛みをこらえて、マッドアップルと呼ばれる野草を探している。朝鮮朝顔とも呼ばれるナス科の毒草。麻酔薬にも使われる。痛み止に母親は欲しがっている。

母親は野草などの植物の知識も豊富だし、自然科学にも明るい。しかも民間説話とか宗教にも詳しく、借りるときはまるで魔女みたいだと思い、興味を覚えた。

そんな母親が死に、未成年のアスラウダは社会的に、独り暮らしが許されないと知り、免許もないのに母の車で飛び出す。一度母につれていってもらったことがある教会へ。裏庭の小屋で見つけた大金の入ったトランク。母が打ち明けなかった父親がいるのかもしれないと。

しかし、そこで出会ったのは母親の姉である伯母サラと、その娘スザンナ、息子ルーンだった。彼女が幼い頃は母子で一緒に住んでいたことや、母が勉強していた部屋を見せられ、一晩のつもりが長く同居することになる。
そして母親同様に彼女も妊娠し、父親が不明ということで、伯母とその娘は狂信的な思いから、処女生誕を持ち出し、生まれた子をアスラウグから取り上げてしまう。

監禁同様な彼女の様子と赤ん坊のことに腹をたてた息子ルーンは赤ん坊をつれて家を出てしまう。絶望した伯母と娘は、マッドアップルを食べることで自殺。そしてアスラウグは皆が住んでいた教会に火をつける

アスラウグには四年後母親、伯母とその娘の殺人容疑で逮捕され、裁判を受ける。その証人尋問の様子が、話の合間に挟まれる形になっている。

主人公の視点で話を読んでいくと、裁判の様子がいかに勘違いで歪むのかがよくわかる。しかし、実は主人公自身も知らずに間違った発言をしていたことが最後に判明する。二つの殺人事件の謎解きのミステリーなのかもしれないが、私には植物や宗教の蘊蓄話が読みがいがあったかな。植物名が章のタイトルなのも興味深い