昨日読んだ『珈琲屋の人々』の続編になる七編の連作短編集

前と同じように、悩みなどを持った人々が、店に来てコーヒーを飲み、店長と話をすることで、何らかの落ち着きや解決に導かれていく

世間を騒がすような大事件とは無縁な、流行らない商店街に住む人たちや、近所に住む人々に起こること。本人には深刻でも、聞かないと他人にはうかがい知れない悩み苦しみ。
商店街の雰囲気と同じように、晴れ晴れとした明るいものでもない。どちらかと言えば暗い印象だが、そんな中にでも人々は生きており生活していて、家族と暮らしている

店主の行介と恋人冬子の仲の進展が気になっていたが、今回もあまりすすまない。二人の気持ちは互いに向き合っていて、好きなことは確かなのだが。

行介は無事八年の懲役を勤めあげて釈放された。法的には犯罪人ではないし、そんな彼を憎む殺された男の身内がいるわけでもない。行介は真面目なんだろう。殺人を犯した人間はすでに人外の存在であり、好きな女と結婚する幸せを得てはいけないんだという思い、思い込みから抜け出せないでいる。相手の冬子も、そんな行介を非難するわけでもなく、ただコーヒーを飲みに行き、行介の顔を見、話をすることで満足しているようで、二人のそんな様子が、私にはなんとも不可解。誰か二人を説得できるような人物がここにはいないのかと考えてしまう

最後の編は尻切れトンボで終わっている。リストラされた夫の暴力に堪えかねた妻が、夫を刺して逃亡。命はとりとめたが、殺人未遂で逃亡している妻が、行介の商店街に現れ、遠縁のおばさんのおでん屋を引き継いで、人気者となる。女に目がない洋品屋の島木がまず目をつけ、やがて行介や冬子とも知り合う。妻のしたことに腹を立てた夫が現れて、事件は起こる。夫からの逃亡に疲れた妻が自首して、出直すことにして、行介の店でささやかなお別れ会をしていた。そこへ現れた夫は自首を認めず、刃物を出して妻を刺そうとした。その前に飛び出した冬子が代わりに刺されてしまう。逃げ回っていても、妻はいまだに夫が好きなんだと思っていた冬子は、咄嗟にかばってしまった。

救急車に同乗している行介は、冬子への思いで一杯だが、どうなるのかな?

また続きがあるの?

やはりこの話は二人のことが一番気にかかる。