思ってた以上に読ませる話だった。

北茨城の町でくすぶっていた中年バンド。あるとき演奏を聞いた一人のアフリカ人ムボガにより奇跡が起こる。港町の水産加工場で働く彼が、演奏を気に入り、ライブを録音したカセットテープをプレゼントされる。そのテープを故国アフリカの小国に送り、フィーバーしてしまう。ジャンルがはっきりしない演奏で、ロックともソウルともとれる演奏で、歌は演歌みたい。ともかく招待されてアフリカへ行き演奏。帰国したらメジャーデビューの夢が膨らみ、そろそろ趣味を終わらせる年なのに、家族を放って東京へ

昔馴染みの男をマネージャーになけなしの全財産をつぎ込んで、レコードデビューを目指したものの、マネージャーの友に金を持ち逃げされ、おじゃん。

ネットで知ったと近づいてきた若い女性しおり。彼女のヒットの分析に感心し、彼女をマネにして、在留外国人向けのバンド活動を目論む。が外国人が大量に集まるライブに対する偏見とも思える記事が新聞などに出て、順調に進んでいた活動もまたもやおじゃん

40になったら故郷に帰って農業を継ぐという親の願いを無視してきたバンドリーダーのふさおだったが、二度目の挫折で、外国人労働者が置かれている不法な扱いに憤り、ライブ予定だった場所に、外国人を集め、ストライキを呼び掛ける

しかし、日本人と外国人の全面的な対決を避けたいムボガが反対し、議論が沸き立つ

そこへ舞い込んだのがフサオの故郷の大雨と堤防が決壊しそうだという知らせ。その場を飛び出し、バンドメンバーは土嚢積みの手伝いに駆けつける。年よりばかりの村のため、それでも人手が足らず、堤防決壊が防げるか危ないというところへ、ムボガ率いる外国人たちが助けにやって来る。無事決壊は免れたものの、流される牛を助けようとして、ムボガとその友が流され、ムボガだけはヒサオの父親の必死の捜索で、無事助けられる

外国人に対するいわれない偏見も癒え、年よりばかりの農村を外国人労働者の助けを得てもり立てようとする。バンドもメジャーになることよりも、地元に足を着けて、バンドも続けていくことになる。

他にもひさおの家族の問題も扱われていて、いろいろ考えさせる話だった