不思議な思いが残る話だった。最初は巻頭の出会いのエピソードを読んで、元気なばあちゃんと若い娘の交友録みたいなものかと思っていた。前に読んだ『万寿子さんの庭』みたいな
子供ができないからと結婚して七年で離縁され、引っ越してきた主人公舞。結婚当時からフリーライターをしていたが、ゲームのノベライズやコミックの原作を中部地方の中堅出版社に頼まれて書く。
引っ越し早々、干してあったブラジャーを高枝はさみでちょん切られることで知り合った背中合わせの独居老人アパートで同じ三階のばあさん、那知子さん。小柄だがバイタリティがあり、太陽が好きで、ギリシア生まれのハワイ人と自称する太陽おばば
はじめは嫌々付き合わされていたのに、いつしか友達になっていた舞。福井の実家の母親には帰郷せよとか、不妊治療とか、再婚の催促を受け、うんざりしてる。離婚した夫からは律儀に再婚の案内や、のちには懐妊のメールまで来る。落ち込む舞にとっては、破天荒な那知子さんは気分直しにはもってこいの相手だった
ばあさんのつきあいで葬儀にいったり、新盆の家に出掛けたり、死にかけた友達の延命治療をするかどうかの相談を受けるばあさんにつきあったり。そしてそれらのどの場面でも目撃するばあさんの太陽と北風を自由にするような不思議な能力
ファンタジー系の話かと読んでいたが、最後になって、むしろホラーだとわかった。最後の話に登場する娘さん、実は自殺したおばばの実の娘さんとの奇妙な関わりによって、おばばもすでに鬼籍に入っていたのが明らかになる
女として自分の生きた証としての子供を生めないなら、その代わりとなる書いたものを残そうと、奮闘するライターの舞。はじめは自伝の代筆でもしようかと思って、いろいろな人に会い話を聞いてみるが、うまく書けない。ある出版社からの応募に出してみたが失敗。自叙伝を代筆することの意義という注文に的確に答えられなかった。
二度目の募集にはやぶれかぶれで、自分は新しい命を生んで残すことができる体ではない。だから他の人が生きてきた姿を書き留めることで、彼らの命がきちんと残るように手伝いをしたいと。それが二次審査に残る
しかし残すべき人生なんてあるのか?
最後になっておばばと一緒に見たり聞いたりしたことこそ、残すべき人生だと気づく。生きてる意味がわからないと苦しみながらも、そんな人々に耳を傾け、導きをさしのべていたおばばの姿
子供ができないからと結婚して七年で離縁され、引っ越してきた主人公舞。結婚当時からフリーライターをしていたが、ゲームのノベライズやコミックの原作を中部地方の中堅出版社に頼まれて書く。
引っ越し早々、干してあったブラジャーを高枝はさみでちょん切られることで知り合った背中合わせの独居老人アパートで同じ三階のばあさん、那知子さん。小柄だがバイタリティがあり、太陽が好きで、ギリシア生まれのハワイ人と自称する太陽おばば
はじめは嫌々付き合わされていたのに、いつしか友達になっていた舞。福井の実家の母親には帰郷せよとか、不妊治療とか、再婚の催促を受け、うんざりしてる。離婚した夫からは律儀に再婚の案内や、のちには懐妊のメールまで来る。落ち込む舞にとっては、破天荒な那知子さんは気分直しにはもってこいの相手だった
ばあさんのつきあいで葬儀にいったり、新盆の家に出掛けたり、死にかけた友達の延命治療をするかどうかの相談を受けるばあさんにつきあったり。そしてそれらのどの場面でも目撃するばあさんの太陽と北風を自由にするような不思議な能力
ファンタジー系の話かと読んでいたが、最後になって、むしろホラーだとわかった。最後の話に登場する娘さん、実は自殺したおばばの実の娘さんとの奇妙な関わりによって、おばばもすでに鬼籍に入っていたのが明らかになる
女として自分の生きた証としての子供を生めないなら、その代わりとなる書いたものを残そうと、奮闘するライターの舞。はじめは自伝の代筆でもしようかと思って、いろいろな人に会い話を聞いてみるが、うまく書けない。ある出版社からの応募に出してみたが失敗。自叙伝を代筆することの意義という注文に的確に答えられなかった。
二度目の募集にはやぶれかぶれで、自分は新しい命を生んで残すことができる体ではない。だから他の人が生きてきた姿を書き留めることで、彼らの命がきちんと残るように手伝いをしたいと。それが二次審査に残る
しかし残すべき人生なんてあるのか?
最後になっておばばと一緒に見たり聞いたりしたことこそ、残すべき人生だと気づく。生きてる意味がわからないと苦しみながらも、そんな人々に耳を傾け、導きをさしのべていたおばばの姿