タイトルはつぶさには『前世探偵カフェ・フロリアンの華麗な推理』というのだが、そんなに華麗な推理だったかな?

はじめの二編を読んだ昨夜はいまいちかなと思ったが、最後の短編はほんわかしていて、悪くないなと言った感じ

デビュー作の『首挽村の殺人』が横溝正史ミステリー大賞受賞ということで、名前とタイトルは見覚えはあったものの、読んだことはないし読む気もなかったのだが、これはライトな作だと思い借りた。

カフェ・フロリアンは裏通りの小路の奥にあり、外見は怪しくうらぶれた店だが、内装は結構豪華。大理石のテーブルに深紅のビロード張りのソファ、白い壁には金縁の絵画という。流れてるのがケチャダンスという、なんとも不思議な店だ。昼間はカフェで、夜はゲイバー。オーナーママは女装してる男で30歳くらい。いつ来ても客の入りは少なく、隅にオヤジと呼ばれる中年男が座り、若いボーイがいるだけ。オヤジは元警官で、今は探偵らしい

ママのショウは過去に転生してきた前世を記憶していて、今でもすべてを思い出すことができる。その特技により、前世からの影響と思われるトラブルを持つ人々が店を訪れ、相談を持ちかける。それぞれの相談の話の短編集

三番目の相談者は前世では何度も無実の罪で処刑されてきて、回りの人間が信用できなくて、生活が苦しいと。明治時代の前世に関して、図書館で実話かどうかを調べてわかったことは?

四番目は前世では強い侍だったのに、現世では妻にも職場の上司や同僚までにもバカにされて、いいように扱われている男の悩み

最後の話では、奇妙な話をすると家族に思われている祖母の話。孫娘に八戸にある寺へ行き、ある壺を掘り出してきてほしいと言い出す。両親は聞き流せというが、気になる孫娘はショウに相談。一緒に掘り出しにいく。出てきた壺を祖母に見せると、江戸時代の前世での祖母のことを話し出す。出来心から盗みをし、奉公仲間に罪を着せ自殺させてしまった。彼女を供養してもらうことで、心置きなく、祖母はその母親に迎えに来てもらい、成仏した。祖母と孫、という関係はなんかいいなと思ってしまう。この短編が最後にあり、読んでよかったなと思えた。

前世がほんとにあるかどうか、なんとも言えないが。しかし、ないとは断言できないし、したくないかな。しかし殺されたり、処刑されたりを思い出せるのは嫌だな