トモは実家が千葉にあり、神奈川にある構内に動物が居る大学に入り、独り暮らしを始めた。

高校二年までは美人で女っぽい姉のあとを追うようにしてきた。そしてはじめてコクられてつきあった。当時は恋に夢中だったのだが、そんな彼の目的が姉だったとわかって、しらけてしまった。姉とは違う存在になりたいと考え、唯一思い付いたのが動物。臭いから嫌いだという姉に反発するように、獣医学科以外に動物学科があるこの大学に決めた。

そして女らしくないクラブに入ろうとして、見つけたのが空手部。
男の子には目を向けず、勉学と空手に打ち込むトモだったが、身近に居る男の子にコクられ、自分も憎からず思っていたことに気づいて付き合い始める。

夏の合宿後に、クラブ仲間の一人が退部したいと言い出す。遠い実家から通っているために、遅くまで練習に付き合えない。もともと運動ベタで、体を動かしたいくらいの軽い気持ちで入部したため、うまくもなれないし、先輩や仲間に迷惑をかけているのが心苦しい。そんな彼女を引き留めようと二人きりで会ったトモに、彼女は今のままだと、勉学も思うようにできないし、バイトもデートもできない大学生活になる。空手にそれほど思い入れもないし、と。それを聞いたら引き留める言葉がでなかった。

反対に、クラブの練習を優先するために、彼の優しさに甘えていた自分に気づき、悩む。そして結果、トモは彼氏に別れを求める。多少は引き留められるかと期待していたのに、彼氏は別れの言葉さえ、優しく受け入れてくれた。この優しさはなんなんだ?自分への思いは何だったのか?そう考えると、別れたことも仕方ないという気になってきた。

そんな風にして、空手に打ち込む一人の女子大生の1年を描いた話だった。読んでるときはそれなりに恋の行方や友達づきあい、空手の試合などが気にはなったものの、読み終えてみると、なんが印象が薄い感じ。つまらなくはないが、面白かったとか、感動したというものには思えない。
著者の実体験をもとにした話らしく、あとがきによれば、著者は獣医学科の三年だとか。
家畜のとさつ場の見学や子牛のエピソードもあったが、タイトルのわりには動物の登場が少なく、もっぱら空手の話ばかり。そんなところが乗りきれない気分にさせるのかな

続編も書く予定らしいが、私はもういいかなと思う