なかなかよかった。百年前のハワイ。ホノルルの日本人向けのホテル白木屋旅館で、日本へ向かう船を待つ人々。彼らのなかで起こる事件を白木屋の放蕩息子の磯次郎と、ここに引き取られボーイをしている少年直吉の二人が謎解きをする話が六つの短編として、語られる

最初に今は亡き直吉がひ孫の慶一の脳にとりついているとある。彼女へのプレゼントの宝石を探してネットを見ていて見つけた宝石。金の台座にエメラルドが嵌め込まれている。オークションは65万からスタート。

それを見て慶一は自宅に代々引き継がれている宝石と同じだと気づく。エメラルドはレプリカで本物ではないから、売られることもなく直吉から伝えられてきた

それを見て、直吉も目覚め、過去を思い出す。その宝石にまつわるある女性の死と、その真相が気になる。なんとかひ孫に調べてもらいたくて、慶一に語り始める。そんな設定で六つの事件と結末が語られていく

そして、最後には慶一とガールフレンドは直吉の願いを叶えるために動き出す。直吉のまわりにいた人々のその後をネットで調べてみたら、一人子孫が居ることがわかり、会いに行く。そしていくぶん事情が明かになり、さらに会った方の縁から、さらに関係者に会い、ついに真相にいたる。

大富豪の美しき後妻の死の真相は?なぜそんな海岸に一人で向かったのか?
磯次郎は真相に気づいたのか?彼が失踪したわけは?

百年前のハワイへの移民たちの苦労の片鱗をかいま見たり、なかなか興味深い。ピクチャー結婚とか。

でもやはり磯次郎直吉コンビの探偵ごっこが面白かったかな。直吉が一人で謎解きをして、貧しい移民女性に無事に彼女へのプレゼントを見つけてあげる第三話がよかった。羽のない鳥。なべづる。
最初が富豪の後妻の転落死の謎。これが探偵のきっかけになった。第二では日本語教師の殺人の疑いを張らす話。第四は花嫁としてハワイに来たのに、夫の不名誉な死のために、苦界に落ちた女性がならず者に脅される話。第五が子供の誘拐事件と詐欺坊主。第六は、成功したコーヒー園の主が、故郷で窃盗犯扱いされた事件の謎解きという、さらに過去にあったことを扱っている。

最後で直吉のひ孫の慶一とガールフレンドのコンビが、過去の事件を検討し、発端の謎を解き、すべてのつじつまが合うことになる