第五章「幻視者」はまた不思議な連中だ。フランス人監督バラがつくったドキュメンタリー映画に写されたものたち。住まいを映像化しただけで、人物よりそこにあるものを写した映画。そこに写し出されてる家具や小物たちはすべて拾ったもの。しかも本来のものとして置かれていないもの。ドアを繋ぎ合わせてキャビネットに見せたり、貝殻をランプシェードにした電球とか。彼らが拾うのは家具とか小物とかになりうる、いわば素材。人によればただのゴミにしか見えないものを別のあるものに見せる、それが幻視ということなのだろう。審美眼が必要だから、いつでも誰でもができるものでもないか

第六章「ディーラー」が扱うのは本や印刷物のみ。他のコレクターと同じ場所を探しても彼らの目に入るのはそれらだけ。拾って売って換金する。古本以外にも演劇関係のカタログ、雑誌。

第七章「プライバシーコレクター」が集めるのは、捨てられたパソコンや関連品。修理して売ることもできるが、それがすべてではない。著者があった女性は知識を得るために始めたことだから気にしない。マザーボードには捨てた本人が消したつもりのデータが残っていて復元できる。それが楽しみになる。パソコンは人と同じ、新しい友達ができたみたいに、見知らぬ人を知ることができる。捨てられたのはハードだけでなく人生もだと。だがまかり間違えば犯罪にかかわることになったり、精神に異常を来す恐れもあるかな

第八章「考古学者」が掘るのは昔ニューヨークのどこの家にもあった屋外トイレ。今は埋められてしまっている。当然水洗ではない。いったい何が埋まっているのか。アンティックボトルという高額なボトルが出たことがあるという

第九章「保存主義者」が扱うのは、修理できるアンティークな家具やその素材となる材木。取り壊しが決まった歴史ある建物から価値あるものを拾ってきて修理し再使用する。これは専門的な知識と技術がないと難しいかもしれないな

第十章「カウボーイ」で扱うのはニューヨークで要らなくなった建物。取り壊された建物の欠片を集める。屋根より小さいものでトラックに積めるものといっても、個人では無理だろう。助っ人やクレーンなどの機械が必要になる。金はかかるが仕方ない。そのままの形で保存し持ち出さないと意味がない。大理石や御影石などの石や、マホガニーの鉄道部品や鉄柵、木の彫像など。集めるにも保存するにも金がかかり、大変なコレクターだな。街の断片を拾う