これまた心が癒されるいい話だ

駅前にあるレンガ造りの一軒家。蔦の這うにび色の小さなレストラン。マダムの案内で中に入ると、予約時間までまだ10分あまり。まだ席は埋まっていない。空席がある。誰かが足りない。店内に流れるのはホルストの惑星、その中の水星だ

そのプロローグの後に、6つの予約が、話が始まる。6組の予約者たちの話が

北国から上京して、大学に入ってから八年。今は小さなコンビニで働く青年。大学時代に付き合ってた子に振られ、故郷を懐かしみながら働く毎日。彼女が話していたハライというレストラン

夫を亡くし独り暮らしの母親。認知症らしく近くに住む息子の家族が訪れては、何かニュースはないかと質問する。答え方によって、認知症の程度がわかるらしい。ある日、自宅で倒れているのを嫁に発見されて、息子の家でしばらく住む。教師の嫁に料理を教えていて、息子にハライのことを聞かされる。亡き夫が独身の頃の思い出の店。それに対抗するように料理を作った自分。亡夫の思い出のスープを家族で食べにいこう

三番目は幼馴染みの二人。彼は両親の不和からぐれて、時々行方をくらます男。彼女は女ながら係長になったものの、尻拭い同様仕事を押し付けられ、サービス残業に。久しぶりに顔を合わせ、二人でハライへ行こうと

高校時代に離婚して三人の子を育ててきた母親が死病を笑顔で話してくれたことをきっかけに引きこもる男。母が死に、姉は嫁ぎ、彼は高校生の妹と二人暮らし。生活費は保険などで。ビデオ撮影しながら口が聞けるようになった彼。妹が友達をつれてくる。二人きりの時、いじめにあったいたことを打ち明ける友達。思わず、ビデオを手放して、じかに話をする。引きこもり脱出の引き金か。三人でハライで食事することに。予約日までに外に出ることに慣れなくては

ホテル内のレストランでオムレツを作る男。はじめはきちんとしたものを作る予定が、近くのアウトレットの大量の客のために、いつか出来合いになってしまう。よく訪れる美人に気まぐれで半熟のうまいオムレツをつくってあげると、交換してくれという。ほんとのオムレツを知らないんだと思ったら、違っていた。昔祖母が似た物を作ってくれたが、甘さが違い違和感を覚えただけ。そんな彼女が寮で休もうという彼についてきて、部屋を貸してくれという。寝る時間がほしいのだと。昼はモール、夜は演劇。そんな彼女と打ち解け、一緒にハライでオムレツを