桜川保育園に通う幼児と、その父親たちの育児にまつわる話を、連作短編にした作品

最初はただの短編集かと思っていたが、同じ保育園に通う子をもつ父親たちの育児と仕事にまつわる話で、全六編の四編目では日頃の鬱憤ばらしに、父親たちが深夜近くに集まって交流会ならね飲み会をしていて、連作だと気づいた。そこではさらに街に繰り出して、若い女の子をナンパしたりして、少し雲行きが怪しくなったが、保育士希望の女子大生から援助金をほのめかされて、興ざめしていた

いろいろな父親がいる。妻がキャリアウーマンでフルタイムのため、自宅で仕事しながら子供の世話をする父親。
第二子出産のため入院してる妻の代わりに育児する男。
通信社勤務で戦場カメラマンだったのが、怪我をした上、妻が心身の疲労から実家で静養中のため、育児休暇をとって乳児の世話をする男。

最近は育メンとかいって、夫婦が平等に育児に携わるのも珍しくはないが、社会的にはまだまだ認知度は低い。とくに会社などでは白い目で見られることも多いだろう。
育児に限らず家事さえ、男から見たら簡単な仕事だという思い込みがあるから、育児休暇してる男は楽してると思われるのだろうな。

保育園児の父親だと、言わば働き盛り、同僚からの目だけでなく、仕事を離れ、おいてけぼりにされたような気持ちになり、仕事に意欲ある男には辛いことだろう

最後の話は、園の近くの公園で親子がピクニック気分を楽しむ様子を描いていて、楽しそうでよかった。都心から離れてるのか、そこそこ自然もあり、虫探しや探検ごっこなどいいね。

私にはもう遠い日のことだし、時代的に男の育児なんてあり得ない話だから、身につまされることはないが、何となくわかる部分もある。特に子供への思いとか、娘に対する父親の気持ちにはいくぶん共感も覚えて、なかなか面白く読めた