『星がひとつほしいとの祈り』という短編集で、全七編

昨夜三篇を読んだ。椿姫、夜明けまで、星がひとつほしいとの祈り。女性が主人公の話ばかり。様々な年代の女性が試練に会い、人の優しさに触れて、新たな旅立ちを迎える。あるところで、そんな風に紹介されていた

最初の椿姫では三十代独身のコピーライターが主人公。仕事相手の恋人がいる。ある日、体調の変化を覚え、はじめて産婦人科を受診する。妊娠2ヶ月。入り口に椿の木があるマンションの一室を臨時の医院としていて、玄関口に男子高校生がいた。彼女の前に診察を受けて、母親と一緒にまた来なさいと言われていた女子高生

中絶するには相手の男性のサインもいると言われ、連絡するも返事がない。彼の会社に押し掛けて説明すると、手術費を出すだけで、もう終わりだという

なんとか手術を終え、帰ろうとすると、入り口に女子高生たちが。椿の下では花を拾い集めている子がいる。友達が彼女の髪に椿を飾り、椿姫だとはやしたてる。駅まで来たところで、めまいがしたり吐き気がして、まともに歩けない。そんなところに先日の男子高校生が現れる。女子高生をはらませた張本人だと思い、邪険に追い払う。車内で倒れそうになったとき、またあの少年が手を添えてくれて支え、席を譲ってもらって彼女を座らせてくれる

はじめて診察を受けたとき入り口で何をしてたかを聞くと、彼女の知らせを待っていたと。赤ん坊ができたという知らせを。父親になるんです、と。あのとき何かを祈るようにしていた少女。椿を飾った少女。なんか暖かいものをいただいたような気持ちになる

二つ目の夜明けまでは、大女優の娘が主人公。母親は高校を出たあとに出来ちゃた婚で自分が生まれ、離婚したと聞いていた。娘がいることを隠しもしないで有名女優になった母のせいで、回りが窮屈に感じた彼女は海外の大学に行き、そのままアフリカのNPOで働いている

その母が危篤だという知らせで帰ってきたが、死に目には間に合わなかった。事務所の社長から母からのビデオレターを見せられる

そこで母は、遺骨の一欠片を故郷に運んでほしいと言う。大分の日田に夜明けと言う駅がある。駅前の店を訪ねてほしいと

今まで母に頼ったことも頼られたこともない。はじめて頼られたのだと思い、指図に従うことに