読み終わった後、少しうとうとしていた。朝は涼しかったのに、晴れてきて、スーパーに買い物に出掛けた昼前には暑いくらいだった。

九つの話を読み終えたが、一番印象深いのは最後の「ラブソング」かな。田代の妻との夫婦愛が扱われている。田代はアポロンのデータベースと直接つながることで、妻との会話も行動もなくなり、彼女を理解していたつもりの気持ちにも自信がなくなってきた頃。突然妻が地上に行くという。田代と同じ直接接続者になるために。そして帰ってきた妻は当然ながら最新式のバージョンのシステムを植え込まれていて、それゆえに現在のどの部署にも配属されず、田代との連絡も絶っている。新たな巨大プロジェクトに取り組んでいると後で聞かされる。それはガイアとよばれるデータベースで、既存のデータベースが持つ情動記録を一元管理する。博物館だけでなく地上のすべてにも亘るシステム。いわば人の感動をそのまま保存する訳だが、まだ生まれたばかりで、分析する機械と感じる人間との距離は意外に遠い。妻が課された任務は機械に感動を教える教育係の一人になること。きれい、好き、願い、夢を機械に覚えさせる。田代たちは感動の中身を解析しようとするが、まずは感動は感動として機械に認識させて、データベース化させる

夢物語のようなことだが、なんか気になる。
近未来的な道具立ての話だが、結局話されていることは、至極人間的な話ばかりで、読みやすくて、興味深く、感動的だった。また菅さんの本を読んでみようか。菅さんの本に最初に興味を覚えたのはカフェコッペリアとかいう短編集なんだが、SFというこど敬遠していた。こんな感じのSFならば楽しく読めるかも