思った通り、読みがいのある面白い作品だった
終戦の頃からジャズトランペッターとして活躍した多田良三四郎。そんな三四郎がある日三人の孫息子に形見分けだと言って、トランペットのケースにしまってあった数十の根付から一つづつ選べと言う
最初に決めたのは次男の進。十四歳ですばしこくて気が短くて小柄。ギターを始めた進は祖父に一番似ている。選んだ根付は、正座した骸骨が両手を合わせて、向かい合った結跏趺坐した人物を拝んでいるデザイン。祖父に言わせると、作った本人から代々伝わってきた由緒あるもの
三男の望はよく言えば慎重、悪く言えばずるくて生意気。十二歳。ほほを膨らませた鳥のデザイン。ペットを吹く祖父に似てるから選んだ。昔祖父が友人にもらったものだと言う
長男の歩は十六歳。無口で感情をあまり出さないし、頭の回転もいい。選んだのは黒漆塗りの小箱。蒔絵細工で蓋には鶴と亀、側面には龍の紋様がある。蓋を開けると、中身は珊瑚で彫られた城。
こうした根付は趣向を凝らしたり洒落をきかせて楽しむ。ちっぽけな根付に思い入れやら物語を込めて、身に付けるのが粋だった
祖父はそれぞれの根付けに込められた物語をいつか解き明かしてみろという
祖母もなくなって三年、気ままな祖父はラスベガスで遊んでくると言って一人旅立つ
その後ベガスでかなり儲けたという電報のあとに、アメリカ南部での飛行機事故のニュースが。しかも登場者名簿に祖父の名があり、生存者はいないと。死体がないままの葬式。
葬式のあと父が祖父のことを話す。根付けの収集は昔から祖母と二人でしていた。根無し草のような生き方をしていたから根付けという名前にひかれたのではないかと、真面目人間の父はいう。しかも祖父には破滅願望があったと。先祖に医者で、人殺しになりかけた人物がいたらしい
三人の孫息子たちが、それぞれの道を生き、それでも祖父の音楽や根付けを忘れずに、そこに込められた物語を解き明かしていく
そんな話だった。最後には、死ぬ前に祖父が吹き込んだレコードがタイムカプセルのように家族のもとに届き、祖父の半生と根付けの謎が解き明かされる
終戦の頃からジャズトランペッターとして活躍した多田良三四郎。そんな三四郎がある日三人の孫息子に形見分けだと言って、トランペットのケースにしまってあった数十の根付から一つづつ選べと言う
最初に決めたのは次男の進。十四歳ですばしこくて気が短くて小柄。ギターを始めた進は祖父に一番似ている。選んだ根付は、正座した骸骨が両手を合わせて、向かい合った結跏趺坐した人物を拝んでいるデザイン。祖父に言わせると、作った本人から代々伝わってきた由緒あるもの
三男の望はよく言えば慎重、悪く言えばずるくて生意気。十二歳。ほほを膨らませた鳥のデザイン。ペットを吹く祖父に似てるから選んだ。昔祖父が友人にもらったものだと言う
長男の歩は十六歳。無口で感情をあまり出さないし、頭の回転もいい。選んだのは黒漆塗りの小箱。蒔絵細工で蓋には鶴と亀、側面には龍の紋様がある。蓋を開けると、中身は珊瑚で彫られた城。
こうした根付は趣向を凝らしたり洒落をきかせて楽しむ。ちっぽけな根付に思い入れやら物語を込めて、身に付けるのが粋だった
祖父はそれぞれの根付けに込められた物語をいつか解き明かしてみろという
祖母もなくなって三年、気ままな祖父はラスベガスで遊んでくると言って一人旅立つ
その後ベガスでかなり儲けたという電報のあとに、アメリカ南部での飛行機事故のニュースが。しかも登場者名簿に祖父の名があり、生存者はいないと。死体がないままの葬式。
葬式のあと父が祖父のことを話す。根付けの収集は昔から祖母と二人でしていた。根無し草のような生き方をしていたから根付けという名前にひかれたのではないかと、真面目人間の父はいう。しかも祖父には破滅願望があったと。先祖に医者で、人殺しになりかけた人物がいたらしい
三人の孫息子たちが、それぞれの道を生き、それでも祖父の音楽や根付けを忘れずに、そこに込められた物語を解き明かしていく
そんな話だった。最後には、死ぬ前に祖父が吹き込んだレコードがタイムカプセルのように家族のもとに届き、祖父の半生と根付けの謎が解き明かされる