最後まで目を通しただけで、はてさて何がわかったか、甚だ心もとない気もするが。まあいまはこれでいい

ここで扱われた問題を、おいおい学んでいけばいいだろう

森、粘菌、生命、流れるもの、華厳思想と密教。西欧文明のポリフォニーと東洋思想の統合としての南方マンダラ。

ともに世界が多様であることを語ろうとする精神においては同一であるが、それぞれの原理が描く多様性の空間は、互いに異質な構造を持っている。

有限の空間を無限の声や認識で満たし、内部に複数の層やテリトリーや襞がつくられていて、内側に向かって複雑性を増大させていく西洋。西欧世界の創造性の原理。

東洋のマンダラは空間性の生成を問題にする。無から生まれてくる空間。特異点が発生し、非連続的な変化からはじまる。飛躍を内蔵した無限の知性、法界自身が拡大し運動していく中から様々な存在の位相を形成する。異質な存在レベルの混在として空間が作られる。

ポリフォニーは人間世界の内部に多様と複雑と対話を生み出すことができる創造の原理。一方マンダラの原理は、多様は作り出されるものではなく、元々あったものが認識されるだけ。独立して存在する人間など考えられず、始めから様々なものに通路を持つ存在として認識される


この二つを結びつけることは互いを補うことになる。それを考えるためのヒントが仏教の顕教密教の二つで真実は完全に表現されると言う考え方。
そうした統合を目指して考えられたのが、熊楠の南方マンダラだったのではないか

あいにくとそれはまとまった形では完成しておらず、まとめられてもいない


著者がその先を発展させたものが、対称性人類学なんだそうだ。少し興味を覚える