対談本は昼前に片付けて、これを読んでてたが、面白い

老舗の出版社に就職し、最初の二年間は週刊紙の雑用係。春の配置転換になり、文芸部志望の新見が配属されたのは、なんと雑誌ピピン。中学生女子がターゲットのローティーン向け雑誌。大学時代の仲間に会っても素直に報告できない

新しい編集室に顔を出してみたが、ド派手なポスターや少女向けの小物類に唖然とするばかり

雑誌には専属モデルがいて、その撮影会や雑誌記事の提案など、はじめは嫌々でやってるから、失敗も多いし、提案も無視される

そんな新見だが、嫌々でも毎日きちんと仕事してると、思うことや気づくことも多い。

そんな新米編集部員の一年を描いた作品。仕事小説ともいえるかもしれない。

相手が子供とはいえ、それに携わる仕事人はいくつもある。モデルには事務所があり、撮影には衣服を選ぶコーディネーターがいるし、カメラマン、ヘアメイク、そして普段は気づかないが、モデルにはタイアップしてる広告主の会社があり、間にたつ広告会社がある。雑誌作りには、こうした様々な職種の人々が関わっていて、表面的にでもにこやかにしてないと大変なことになる

はじめは嫌々だった新見が最後の方では、大学の後輩に向かって言う

「おれはともかく今いるところで頑張るよ。やってみるとね、案外、面白いんだってば」
毎月たった四百七十円、百三十ページ弱、そこにこめられた光と影は本物だ。けばけばしかろうが、チープだろうが、どの子も同じ顔に見えようが、本物だからこそ凛々しく胸を反らしている。
「文芸にだって負けないよ」