雨も上がり、こんな時間なのに明るいな。それでいて空は一面雲ばかり

なかなかよかった。前からこのタイトルは気になっていた。それに著者は最近有名な『真夜中のパン屋さん』と同じなんだ

主人公は13歳の奏。6歳のときに、母親のDVと育児放棄のため両親が離婚し、当然父親と暮らすことになる。幸せな父子家庭に入り込んだのは、奏の家庭教師。似た者通しの出来ちゃった婚という形で一緒になる。継母を嫌ってというよりは、遠慮して家出をする

しかし世の中甘くはない。13歳ではまともな仕事もなく、千葉県の外れの港町へ。衝動的に岬の突端から飛び込む

気づいたらどこかの海岸で、年よりの三女性がいた。彼女たちのいる女性専用の老人ホームで世話を受ける。お礼にと引き受けた雑用をきちんと果たしたために、身元の詮索もなく、アルバイトとして雇ってもらえることに

年よりはあなどれない。一見少女のように趣味に生きているようでも、生死の網を潜り抜けてきている

オーナーは女実業家でいくつもの会社を持っていて、普段はここにいない。彼女の妹の遥さんが代理を勤めている

遥さんの仕事はもっぱら庭のばら園の世話。かなでも手伝いに駆り出される

ここはもともと遥さんの両親が経営する病院だった。両親の死後、オーナーの薫が来て、庭を残し、病室を利用して、介護なしで生活できる老人ホームに。
採算が合うものか?昔からばら園には殺された男が埋められているといううわさがあったとか。そのために赤字度外視でホームを続けているのだと

入居者にまつわるいくつかの出来事のあと、後半ではその噂の真偽に関わる話になり、ラストを迎える。

なかなかよかったな


これで残すのは山本さんの小説だけ。ならば今夜までに読むことは可能だな。明日の仕事帰りに返却しよう

しかも図書館から連絡があり、予約してた本が入ったらしい。たぶん小路さんのバンドワゴンシリーズの新刊だろう。楽しみだ