日曜の昼過ぎ、雨は少し本降りになってきた
最初は少し取っつきにくい気がした。女子高生の話だもの。年代も違えば、性別も違うし。でもそれだけではないんだ。同じ人間として通じる思いがある。

高校の写真部に所属する女子高生たちを主人公にした四編の連作。四人がそれぞれ主人公というか語り手として話が進む

自分に自信がなく、サッカー部の男子に片想いしてる。モデルのようなカオリと親しい

秋穂は一年生。光は誰にでも同じように届いてるとは信じられない。自分は日陰が似合うと。そんな秋穂を先輩のシズが、旧式のレンズのないカメラ、ピンホール・キャッチで撮影してくれた。小さな穴から限られた光だけで写った自分の姿。綺麗だ。こんな自分でもいつか誰かが受け止めてくれる日が来る。自分もそんな光を放つ人をキャッチしたい

カオリはきれいでクラスでも人気者。告白されて、振ったあげくビンタしたとうわさに。彼女には嫌な思い出がある。中学時代彼女は真面目で優等生。校則で禁止されているスカートたけを違反する子も中三になると結構いた。彼女はそれをいちいち注意して、けむたがられ、あげくしかとされてしまった。

そんな思いを忘れていたのに、告白した男子は同じ中学でいじめグループにいたくせに、昔から君が好きだったなんて言われて、カットなりビンタまでした
顧問の先生から二眼レフのカメラをもらい、写真とってたら疑問が。左右は逆に映るのに、上下はなんでそのままなの?
写真好きのシズがその謎を明かしてくれる。そもそも左右を逆に映してるわけではない。
また二眼レフでとると慣れてないと、パララックス、視差に気づかず失敗する。実際の景色とファインダーに映る景色は違う。

シズは違って見えるカオリも全部がカオリなんだという。過去の出来事も現在もすべてがまとまって今の自分がいる。それを素直に受け止めればいい

最後はそのシズが主人公。家族からはカメラや写真のような遊びはさっさとやめて、大学受験に専念しろと言われている。しかし両親の期待するいい大学ではなく、写真部や写真科のある芸大をめざしている。隠していた願書が見つかり、言い争いに。彼女がとって文化祭で展示されたカオリの顔写真か画鋲でいたずらされていた。それを知り、自分の写真で迷惑をかけたと半ば諦めかけた。そんなシズをカオリのメールが力付けてくれる。シズの写真は写真部のみんなが好きだよ。